“普通の会社員”が持っていた隠れスキル
高橋亮さん(仮名・46歳)は、中堅規模のメーカーで20年近く営業として働いている。営業成績は良いほうだが常にトップというわけではなく、年収は550万円ほど。また昇進への意欲も高くなく、係長としてルーチンワークと後輩の育成に追われる毎日を過ごしていた。
ある日、取引先との商談の帰り道、亮さんは後輩から「なぜそんなにクライアントとの会話が盛り上がるのか?」と、真剣な顔で質問された。
その場では上手く答えられなかったが、そういえばこれまで営業活動をストレスだと感じたことはない。それどころか、取引先と楽しく話しているあいだに契約が決まる、ということも少なくなかった。
そのような経験を思い返すなか、これまで意識していなかった「雑談力」という自身の強みに気づいた亮さん。帰宅後、気になって調べてみると、世の中には「雑談スキル」に関する書籍や研修が数多くあることが分かった。
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亮さんが考えた「雑談力」を「お金」に変える方法
そこで亮さんはまず、後輩育成のためになにかできないかと考えた。
翌日、亮さんは早速上席と相談し、営業部の新人数名を集めて「雑談力向上」のワークショップを開催することにした。
ワークショップ当日。はじめての研修にしては上手くいったと手ごたえを感じていた亮さん。しかし、受講者からは「理屈は分かったけど、実際の場面ではどう活かせばいいのか分からない」といった予想外の反応が多かった。要するに、彼の持つ「雑談のノウハウ」は感覚的なものが多く、それを体系的に整理できていなかったのだ。
また、個人向けのサービスとして「雑談力向上セッション」をオンラインで提供しようと、クラウドソーシングサイトに登録。しかし、ターゲットが曖昧で集客が伸び悩んだ。
そもそも、誰もが「雑談くらいできる」という認識があり、わざわざお金を払って学びたいという意識の高いターゲットはごくわずかであった。