学校の先生は激務らしい……教育現場のブラック化が広く知られるようになり、教師の人気は下降の一途。教員採用試験の倍率は軒並み低迷し、2023年、公立小学校の採用選考試験の採用倍率は2.3倍と過去最低を記録しました。そのようななかでも教員を志し、教師を続けようと努力を続ける若者たち。彼らのリアルな声を通し、ブラック職場といわれる教育現場の“今”をみつめていきます。

教師の労働環境の改善には「より広い視点」が必要

20代の若手教師と40代のベテラン教師から、ブラック職場と称される教師の現実を垣間見ることができました。働き方改革を進めてはいるものの、現場の実情との乖離もあり、うまくいっているとは言い難いようです。

 

過剰な業務量、保護者対応、人間関係……教師の労働環境を改善させるためには、違う視点で議論したり、ヒントを探ったりする必要がありです。そこで労働問題に詳しい、株式会社日本総合研究所の小島明子氏に話を伺いました。

 

「株式会社日本総合研究所では、2022年に教職員調査*1を実施し、そのなかでより良い教育支援に向けて望む支援について尋ねたころ、「予算」の次に多いのが、「人員増強」「教員の待遇改善」「多忙解消」に関する意見でした。前頁までに紹介されたインタビューと同様に、教職員の多くが、より良い授業をしたいという強い思いがある一方で、仕事量が多いことや仕事内容が多岐にわたること、授業以外の業務負担の増加を課題として挙げています。

 

以前は、多くの民間企業でも長時間労働の削減は大きな問題でしたが、女性活躍推進法や働き方改革関連法等のよって、働きやすい職場環境づくりは進んできました。長年、民間企業の取組みの変化を見てきた筆者としては、優良事例の表彰制度や、事例集及びガイドラインの公開、情報開示の促進や、企業同士のコミュニティを通じた意見交換の場の提供などきめ細かな支援が改善につながったのではないかと感じます。教育機関特有の問題もあるとも思いますが、民間企業向けに行ってきた取組みのなかには、学校現場においても、横展開できるものもあると感じます。

 

また、前述した調査のなかには、教職員の業務負担軽減のために、部活動をはじめとした一部の活動の外部への委託を提案する声も挙げられています。そのような声に対応し、既に民間企業のサービスも出てきていますが、2022年10月には、労働者協同組合法*2が施行されたこともあり、労働者協同組合がそのような新たな役割を担う可能性も期待しています。労働者協同組合は地域社会に資する事業を行うことを目的とした法人格です。そのため、地域の人たちによって設立された労働者協同組合が部活動をはじめ一部の仕事を引き受け、地域の教育現場を支援していくのも一案です。

 

地域社会をはじめ、より多くの人たちが教職員の労働環境の改善に向けて関心を持ち、スモールスタートであってもできることから始める一歩が、大きな変化につながっていくのではないかと考えます」

 

*1:【高等学校教職員調査(報告)】― SDGs及び金融経済教育等に関する意識調査 ―

*2:厚生労働省 知りたい!労働者協同組合法

 

※この記事は、THE GOLD ONLINEとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。

 

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