学校の先生は激務らしい……教育現場のブラック化が広く知られるようになり、教師の人気は下降の一途。教員採用試験の倍率は軒並み低迷し、2023年、公立小学校の採用選考試験の採用倍率は2.3倍と過去最低を記録しました。そのようななかでも教員を志し、教師を続けようと努力を続ける若者たち。彼らのリアルな声を通し、ブラック職場といわれる教育現場の“今”をみつめていきます。

他では決して感じることのない「教師という仕事のやりがい」

話を聞けば聞くほど、教師の大変さが浮き彫りになり、なぜふたりは教師を続けているのだろうかと疑問が湧いてきます。白石さんは「なんだかんだいって、安定している職業であることは魅力のひとつですが」と前置きをしつつ、言葉を続けます。

 

白石「卒業した子どもたちが『先生にはお世話になりました』と会いに来てくれる。教え子の結婚式に呼ばれたという先生もいます。そんな職業、ほかにないですよね」

 

福井「ついこの間までできなかったことができるようになる……子どもの成長力には驚かされることばかりです。子どもの成長に自分が少しでも関わることができていると考えると、大きな喜びを感じますよね」

 

白石さんも福井さんも、教師でなければ得ることのできない「やりがい」が、教師を続ける原動力だといい、「ほかの先生方もきっとそう」と話します。

 

しかし、そんなやりがいのある職業でありながら、ドロップアウトしてしまう教師がいるのはなぜなのでしょうか。この疑問に対しては長時間労働などといった労働環境のほか、「配属される学校によるのでは」と指摘します。

 

白石「前の学校では若い先生が多く、何か困ったことがあったり悩みがあったりしても、相談をしたり、助けてくれたりする人はいませんでした。みな、自分のことだけで精いっぱい。そういう環境なら、どんなにやりがいのある職業であっても、潰れてしまうのではないでしょうか」

 

福井「私の同期のなかにも、病気で休んだりしている人もいます。真面目すぎるなど、その人の性格によるところも大きいとは思いますが、問題を抱え込んでしまうのは、環境によるところも多いですよね」

 

――学校なんて、どこも同じなのではないのだろうか?

 

そんな疑問に対し、ふたりとも「学校によってまったく違う」と口にします。

 

白石「いま配属されている学校は相談できたり助けてくれたりする先輩はいるし、同年代の先生もいます。日々の愚痴は同世代でないと共有できず、そのような存在はとても貴重です(笑)。私はまだ2校目ですが、配属される学校によっては今後、自分も潰れてしまう可能性はゼロではないですよね」

 

最近、“配属ガチャ”という言葉が浸透しています。新入社員が希望する勤務地や職種に配属されるか分からないことを指す言葉で、配属先によってプラスにもなればマイナスにもなり、その後の社会人人生を大きく左右すると言われています。それは教師の世界でも同様。いうなれば“学校ガチャ”。配属校によって教師人生は大きく左右されるようです。

 

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