学校の先生は激務らしい……教育現場のブラック化が広く知られるようになり、教師の人気は下降の一途。教員採用試験の倍率は軒並み低迷し、2023年、公立小学校の採用選考試験の採用倍率は2.3倍と過去最低を記録しました。そのようななかでも教員を志し、教師を続けようと努力を続ける若者たち。彼らのリアルな声を通し、ブラック職場といわれる教育現場の“今”をみつめていきます。

教師の長時間労働…最近は「早く帰れ」と言われることも

教師になるまでの思いには差があった白石さんと福井さんですが、実際に教師になってツラいと感じたのは、やはりというべきか、長時間に及ぶ労働。

 

話を伺った教員歴4年の白石佐紀さん(仮名)と教員歴3年の福井奈津さん
話を伺った教師歴4年の白石美咲さん(仮名)と教師歴3年の福井彩さん

 

白石「聞いていた通り、労働時間は長いですね。定時は16時45分なんですが、お子さんのいる先生以外は、ほとんど帰りません。長時間労働に慣れ切っているという側面もあると思いますが、そもそも定時までに仕事が終わるわけがありませんし、もちろん残業代も出ません」

 

公立学校教師にも労働基準法は適用されていますが、給特法という特別法が適用され、時間外勤務手当などの一部を適用除外としています。その代わり、月給の4%が教職調整額として加算されています。

 

福井「休憩が取れないのもツラいです。一応、子どもたちが帰った後に休憩時間はあるのですが、そんなタイミングでホッとひと息なんてついていられません。よく『休み時間や給食の時間に休んでいるのだからいいじゃない』などと言われることがありますが、それは大きな誤解です。それらの時間も指導の時間であって、休んでいるわけではないんです。朝からぶっ通しで働いているから、体力的に本当に厳しいです」

 

つい最近まで、公立学校における労務管理は出勤簿にハンコを押すだけというアナログな方法が一般的でしたが、ここ数年でほとんどの自治体でICカードなどによる管理が導入されました。長時間労働に対しても厳しい見方がされるようになっています。

 

白石「最近は早く帰りなさいと促されることもよくありますね」

 

教師の意識も少しずつ変わっているようです。

 

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