(画像はイメージです/PIXTA)

歴史的な円安環境にある現在、「米ドル円」に対する世の中の関心はかつてないほどに高まっています。そこで、来週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな、先週の米国経済の動きについて、東京海上アセットマネジメントが解説します。

雇用も減少傾向が継続

⽶労働省が公表した2024年5⽉のJOLTS(雇⽤動態調査)によると、求⼈数は前⽉⽐+2.8%の814万件と、市場予想(794.6万件)を上回りました(図表10)。

 

出所:
[図表10]求⼈数と求⼈率 出所:Bloomberg

 

もっとも、3⽉、4⽉にそれぞれ前⽉⽐▲5.2%と、2か⽉連続で⼤幅に減少したあととしては、戻りが鈍い状況にあります。

 

5⽉の求⼈数は3か⽉ぶりに増加したものの、均してみれば減少傾向が続いています。また、求⼈率(求⼈数÷求職者数) は4⽉の4.8%から5⽉に4.9%へ上昇したものの、2か⽉連続の5% 割れであり、コロナ禍前の⽔準(2019年平均=4.5%)へ近づきつつあります。

 

パウエルFRB議⻑が労働市場の需給の尺度として重要視する失業者1⼈当たりの求⼈件数は、JOLTS及び雇⽤統計に基づくと、2022年3⽉の2.03⼈をピークに減少傾向を辿り、2024年5⽉は1.22%へ明確に減少しています(図表11)。

 

出所:
[図表11]求⼈数/失業者の推移 出所:Bloomberg


コロナ禍前の1.19⼈(2019年平均)に近づいていることから、労働市場が均衡しつつあることを⽰唆しています。

 

このほか、今週公表された重要な経済指標では6⽉のISM製造業景況指数が48.5と、5⽉(48.7)から改善するとの市場予想(49.1)に反して低下したほか、ISM⾮製造業景況指数は48.8と市場予想(52.7)を⼤きく下回りました(図表12)。

 

出所:
[図表12]今週の主要経済指標 出所:Bloomberg  ※5⽇10時時点のデータ

 

低調な5⽉の個⼈⽀出や6⽉のISM景況指数などの結果を反映したGDPNow※2(アトランタ連銀公表)の試算によると、2024年4-6⽉期の実質GDPは前期⽐年率+1.5%と1-3⽉期の同+1.4%(実績値)に続き、潜在成⻑率とされる1.8%を下回るなど、⽶景気の減速感が強まっています。
※2 アトランタ連邦準備銀⾏が、リアルタイムに⽶国の経済成⻑率を予測することを⽬的に公表している指標

 


東京海上アセットマネジメント

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…7月第1週の「米国経済」の動き』を参照)。

 

 

※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。

※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。

 

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※本連載は、東京海上アセットマネジメントのレポート『〜TMAMマーケットウィークリー~』より一部を抜粋し、再編集したものです。
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