前週の⽶国経済…今後の所得増を想定する消費者が明確に減少
⽶調査会社コンファレンス・ボードが公表した、2024年6⽉の「消費者信頼感指数」は、100.4と、5⽉(101.3)から低下しました(図表1)。内訳をみると、現況指数(5⽉:140.8→6⽉:141.5)が上昇した⼀⽅で、期待指数(5⽉:74.9→6⽉:73.0)が低下しました。
雇⽤・所得環境に対する⾒通しが5⽉から悪化したことで、期待指数は1年以内に景気後退となる可能性を⽰唆する80を5ヵ月連続で下回りました。
先⾏して公表された、ミシガン⼤学の「消費者信頼感指数」(5⽉:69.1→6⽉:65.6)も消費者マインドが冷え込んでいる状況を⽰しており、今後も個⼈消費の減速が続く可能性が⽰唆されました。
今後6ヵ月間で雇⽤が増えると想定する消費者の割合は、2024年⼊り後に急速に低下し、6⽉は12.6%(5⽉:13.1%)と2024年4⽉(12.3%)、2016年5⽉(12.5%)に次ぐ低⽔準となりました(図表2)。
また、今後6ヵ月間で所得が増えると想定する消費者の割合は、2024年⼊り後に⼀進⼀退の後、⾜もとでは、5⽉の17.7%から6⽉には15.2%へ、明確に低下しました。
「職が⼗分」との回答から「就職が困難」との回答を差し引いた労働市場格差は、5⽉の22.7%から6⽉は24.0%へ、⼩幅に上昇も、均せば低下基調にあります(図表3)。
消費者の雇⽤環境⾒通しや労働市場格差に基づけば、FRBによる⾦融引き締めが⻑期化するなかで、徐々に労働市場の軟化が進んでいる状況を、消費者が認識しているとみられます。