土曜日の夜に鳴ったインターフォン
「土曜日の夜、突然インターフォンが鳴るので出てみたら、姑と義妹が立っていたのです」
義妹家族と同居していた姑だったが、義妹の夫と大げんかして追い出されてしまったのだ。
「とりあえずその夜はうちに泊まってもらいましたが、私たちも仕事をしていますから、いつまでも2人を置いておくことはできませんので…」
しかし、日曜日の夜自宅に帰ったのは義妹だけ。義妹の夫が〈姑が戻るなら自分が出て行く〉と言い出したためだった。
姑は足腰が悪いわけでもなく、認知症の兆候もない。そのため、とりあえずは共働きの佐藤さんの家で〈一時預かり〉ということで過ごしてもらうことにした。
「でも、限界でした。家に帰ったら姑がいるんですよ。これまで親しく話したこともありませんから、とにかく気持ちが休まりません」
「それに、生活習慣がまったく合いません。2人だけになってから、食事も各自好きなものを勝手に食べています。洗濯も、お風呂のあと一気に回して乾燥までしておしまい。それをいちいち〈そんなのよくないわ〉と…。本当に苦痛で…」
しかし、先にキレたのは夫の方だった。
「いいからほっといてくれ!」
佐藤さん夫婦は、義妹夫婦を交えて相談し、「なるはや」で姑に老人ホームへ入居してもらうことになった。