(※写真はイメージです/PIXTA)

近年では、さまざまな家庭の形が増えています。ある40代の女性は、夫のがん発覚で家族が慌てふためくなか、社会人1年目の長女から相続に関する驚きの発言を聞き、言葉を失います。実情を見ていきます。

音信不通だった妹の死…遺された姪をわが子に

近年では、離婚や再婚に伴うステップファミリーの形成、また、事情により養子を迎え入れるなど、多様な家族のスタイルが増えています。

 

40代の山田さんは、同い年の夫との間にひとり娘がいます。また、山田さんには妹がいましたが、疎遠な関係で、成人してからはほとんど連絡を取っていませんでした。

 

「2人目の子どもがほしいのに、長女が小学生になっても授からず、悩んでいたのです。そうしたら、実母から〈音信不通だった妹が亡くなった〉と連絡を受けまして…」

 

山田さんの妹は、遠く離れた土地でシングルマザーとなっており、3歳の女の子がひとり遺されていました。

 

「突然のことで驚きましたが、母から送られてきた写真を見てさらにびっくりです。だって、うちの娘の小さいときとそっくりだったのですから…」

 

写真を見て、2人目の子どもとして育てようと提案したのは、山田さんの夫の方でした。

 

「夫は写真を見て情が移ったようで〈とても放っておけない。引き取って、娘と姉妹として育てよう〉といいだしました。私の両親も、そうしてもらえるとありがたいということで、うちで引き取ることにしました」

 

山田さんは、引き取った姪っ子を実の子と姉妹同様に育てました。

 

「素直で明るく、勉強もスポーツもよくできる、本当にいい子です。上の子も妹ができたといって、とてもかわいがっていたのですが…」

 

山田さんから見て、姉妹の仲はごく普通に見えたといいます。

 

「ときどきけんかもしますが、持ち物を貸し借りしたり、一緒に出掛けたりして、仲のいい普通の姉妹そのものでした」

 

[図表]
[図表]特別養子縁組の成立件数

 

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