音信不通だった妹の死…遺された姪をわが子に
近年では、離婚や再婚に伴うステップファミリーの形成、また、事情により養子を迎え入れるなど、多様な家族のスタイルが増えています。
40代の山田さんは、同い年の夫との間にひとり娘がいます。また、山田さんには妹がいましたが、疎遠な関係で、成人してからはほとんど連絡を取っていませんでした。
「2人目の子どもがほしいのに、長女が小学生になっても授からず、悩んでいたのです。そうしたら、実母から〈音信不通だった妹が亡くなった〉と連絡を受けまして…」
山田さんの妹は、遠く離れた土地でシングルマザーとなっており、3歳の女の子がひとり遺されていました。
「突然のことで驚きましたが、母から送られてきた写真を見てさらにびっくりです。だって、うちの娘の小さいときとそっくりだったのですから…」
写真を見て、2人目の子どもとして育てようと提案したのは、山田さんの夫の方でした。
「夫は写真を見て情が移ったようで〈とても放っておけない。引き取って、娘と姉妹として育てよう〉といいだしました。私の両親も、そうしてもらえるとありがたいということで、うちで引き取ることにしました」
山田さんは、引き取った姪っ子を実の子と姉妹同様に育てました。
「素直で明るく、勉強もスポーツもよくできる、本当にいい子です。上の子も妹ができたといって、とてもかわいがっていたのですが…」
山田さんから見て、姉妹の仲はごく普通に見えたといいます。
「ときどきけんかもしますが、持ち物を貸し借りしたり、一緒に出掛けたりして、仲のいい普通の姉妹そのものでした」