2025年には団塊世代が後期高齢者に
今回は、要介護者の多い後期高齢者のお話です。後期高齢者とは、75歳以上の方(寝たきりの場合は65歳以上)を治療する年齢の医療制度上の区分です。この年齢の方は、介護を受ける方が極めて多いのが特徴です。
要介護者認定者の人数は、介護保険がスタートした1999年当時の218万人から、2013年では564万人へと2.6倍に、介護サービス費の推移は、2000年の3.6兆円から2014年では10兆円へ激増(厚生労働省介護保険事業状況報告より)、介護保険の当初は入居サービスがほとんどでしたが、現在では介護サービスを受ける方が激増していることもあり、在宅系サービスが6割以上を占めています。
ところで、2025年問題、という言葉が現在盛んに叫ばれています。2025年問題とは、団塊の世代といわれている1947~1949年生まれの方たちが75歳(後期高齢者)を迎えてしまう、医療と介護と福祉の問題です。
この段階の世代は800万人もおり、現在1500万人程度の後期高齢者人口が、2025年には約2200万人まで膨れ上がると予測されており、我が国の4人に1人は後期高齢者という超高齢化社会となってしまうのです。
人口減少社会に転じる一方、高齢者はまだまだ増える
日本は有史以前の建国以来、ずっと人口が増え続けてきました。
江戸時代末期には3000万人いたと考えられた日本の人口。僅か134年で4倍の1憶2000万人にまで増大し、その後2005年からは人口減少社会に転じた一方、65歳以上の高齢者数については2040年頃まで増え続けると推計されています。そして後期高齢者については、2050年頃まで増加傾向が続くと見込まれています。
現在2016年から2050年までの34年間は、地球上誰も経験したことのない、超々高齢社会が我が国に訪れるのです。つまり、介護や福祉問題の解決に関して、これまでの経験や法則では全く立ち行かないのです。
まさに人類史上初の未体験ゾーンに我が国が世界で最初に突入するのです。これは本当に大きな問題です。