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歯科医師がいま「患者の終活」に関与する理由

本連載は、医療問題アナリストで歯科医師の吉野敏明氏、経済評論家で公認会計士・税理士の田中肇氏、一般社団法人包括安心サポート研究所の代表理事・大和泰子氏の共著、『本当に正しい医療が、終活を変える 』(かざひの文庫)の中から一部を抜粋し、幸せな人生を終える人と、そうでない人の違いはどこにあるのかを探っていきます。

歯科医療は命、介護、精神疾患に大きく関わっている

なぜ歯科医師の私が人生の締めくくりの活動である終活の本を書くのでしょうか。その前に、ちょっと歯科医師と現在の人生の締めくくりである、後期高齢者の事情についてお話ししたいと思います。

 

まず、歯科医師についてです。一般に、歯科医師とは歯の医師、あるいは口の中の医師と思われていますが、口とは酸素を取り込むための呼吸、栄養を取り込むための咀嚼と嚥下、そして人とコミュニケーションを取るための言語を掌る臓器であり、これらを治療するのも歯科医師です。

 

若く健康な時は虫歯で歯が痛いくらいでないと歯科医師にはお世話にならないかもしれませんが、高齢になり、咀嚼や嚥下が困難になると、これらの治療をしなければ、それは即、死を意味します。高齢になればなるほど、歯科治療によって、寿命だけでなく、もっと大事な『健康寿命』を延ばせるからです。

歯科医師の仕事は、介護の分野にも広がりつつある

健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。健康寿命が終わるとは、車椅子に乗らなければ移動できない、認知症になって自分で判断できない、排泄が自分一人でできない、というイメージがあるかもしれません。

 

とろみ食や嚥下食といった特別な食事でなければ食べることができない、入れ歯が合っていないので食いしばれなくて寝返りが打てない、入れ歯を入れていないので舌根がのどのほうに落ちて自発呼吸ができない、そういった方の治療や、口腔ケア(口の中の微生物を減らすこと)で誤嚥性肺炎を予防するなど、歯科が健康寿命を延ばす貢献は極めて大きいのです。

 

さらに、大臼歯(奥歯)の欠損が多ければ多いほど、寝たきりの率が高く、寿命が短くなるばかりでなく、認知症の発症率も高くなるのです。つまり、命にも、介護にも、精神疾患にも、歯科医療は大きく関係しているのです。

 

現在、平均寿命と健康寿命の間には、男性で約9年、女性で約13年もの差があります。寿命を延ばすこと以上に健康寿命を延ばすことが重要です。理想は、健康寿命=その人の寿命、です。

 

つまり、歯科医師の仕事はこれまで、虫歯や歯周病などの「元気で歩いて歯科医院に来る人の病気」を治すことでしたが、現在では「介護の必要な人、寝たきりの人の命と健康を救う仕事」に変わりつつあるのです。

医療問題アナリスト
歯科医師・歯周病専門医・指導医
慶応大学医学部非常勤講師
歯学博士 

岡山大学卒。日本における、歯周病原細菌検査を用いた歯周治療の第一人者。平成26年、全身と口腔および東洋医学を包括した治療を行う誠敬会クリニック開設。同年、精神科病院の医療法人弥栄病院(病床280床)理事長に就任、精神と口腔を融合した治療を行う。著作の『口元美人化計画』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はAmazon美容外科部門1位を2度取得。平成27年、一般社団法人包括治療政策研究会理事長就任、平成28年、一般社団法人包括安心サポート研究所理事就任。

著者紹介

経済評論家
公認会計士
税理士
上場準備コンサルタント
事業再生コンサルタント
病院経営コンサルタント 

1957年生まれ。1981年中央大学卒、朝日監査法人(現あずさ監査法人)、三優監査法人、三優BDOコンサルティングを経て独立。主な著書に『ベンチャーマネジメントの変革』(日本経済新聞社 共著)、『やさしい原価計算の導入の仕方』(中経出版)、『寺院住職の為の会計と消費税』(日本法規)などがある。

著者紹介

一般社団法人包括安心サポート研究所 代表理事
株式会社WishLane 代表取締役 

終活アドバイザー、CFP(ファイナンシャルプランナー)、相続診断士などの資格を持つ。家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居の幸せ家族。これまでに独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送り、幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と思うに至る。5000人の保険コンサルティングの経験から、保険の「資金準備」だけではなく、生涯にわたる「お金」「こころ」「体」のトータルサポートの必要性を訴え、病気や介護になった時は家族代行の業務を行っている。

著者紹介

連載幸せに人生を終える「正しい終活」の進め方

本連載は、2016年9月22日刊行の書籍『本当に正しい医療が、終活を変える』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

 

本当に正しい医療が、終活を変える

本当に正しい医療が、終活を変える

吉野 敏明・田中 肇・大和 泰子

かざひの文庫

本書は終活のための本です。よい終活とは、遺書を書くことでも、墓石を選ぶ事でも、葬儀会社を選ぶことでもありません。保険を組み合わせることでもありません。健康な体と心をもち、心が最期の瞬間まで成長する。これによって…

 

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