(※写真はイメージです/PIXTA)

超少子高齢社会となって久しい日本で、深刻化する「親の介護」問題。『高齢社会白書』(令和5年版)や事例とともに解説していきます。

老人ホーム入居後の変化

老人ホームへの入居後、義両親は専門の介護スタッフのもとで適切なケアを受け、坂本さん自身も少しずつ健康を取り戻しました。心に余裕ができたことで、義両親との関係も改善し、面会時には笑顔が増えました。

 

「老人ホームに入ってから、義両親が安心して過ごしている様子を見て、私もほっとしました。家族全員が以前よりも前向きな気持ちで接することができています」

 

坂本さんのようなケースは決して珍しいものではありません。厚生労働省『2022年 国民生活基礎調査の概況』によると、介護が必要となった主な原因について、「要介護者」では「認知症」が 23.6%で最も多く、次いで「脳血管疾患(脳卒中)」が 19.0%となっています。

 

また『高齢社会白書』(令和5年版)によると、75歳以上で要介護の認定を受けている人は被保険者の23.1%にものぼります。

 

坂本さんは、今回の老人ホーム入居を通じて、介護に対する考え方が大きく変わったと語ります。

 

「介護は愛情だけで乗り越えられるものではなく、適切なサポートが必要だと痛感しました。プロの手を借りることは決して親不孝ではなく、むしろ家族全員の幸福を守るための選択だと思います」

 

介護は誰にとっても大きな課題であり、家族全員に影響を及ぼすものです。坂本さんの経験は、介護に悩む多くの人々にとって一つの指針となるでしょう。適切なサポートを受けることで、家族全員がより良い生活を送ることができます。「自分たちでなんとかする」だけでなく、プロの力を借りることも重要な選択肢であることを忘れてはなりません。

 

老人ホームへの入居には費用がかかるため、早い段階で資金計画を立てることも重要です。坂本さんのように、介護の負担が限界に達する前に、適切な介護施設を選び、家族全員の幸福を守る選択をすることが、現代社会における介護のかたちと言えるでしょう。

 

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