ドラマの取調室は嘘だらけ?
ドラマでは、よく取調室にライトがあり、否認する容疑者の顔に当てたりしますが、これは実際にはありません。被疑者などが暴れたりすると困るため、必要最小限のもの以外はなく、机にはアルミ製の灰皿だけが置いてありました。
「記者さんは吸うかい?」と聞かれましたが、喫煙者ではないので断りました。取り調べはたいてい刑事2人一組で行います。殺人事件の場合ですと、1人が脅し役(厳しく追及する役)、1人がなだめ役に回ることが多いようです。
1954年に山口県で発生した一家6人殺害事件では、取調室の様子を録音したテーブが公開されましたが、刑事が「仏にすがれ、のう」とか、「僕にまかしなさい」とか「弱い心でどうする」などといろいろな角度から追及を試みていました(金重剛二「タスケテクダサイ」理論社、浜田寿美男『自白の心理学』岩波新書より)。
なお、赤坂署では6時間いた間にお茶は出されましたが、カツ丼は出ませんでした。警察ドラマの至宝『太陽にほえろ!』で下川辰平さん演じる長さんが、容疑者に「カツ丼でも食うか」というシーンが再三放映されたため、取調室といえば、カツ丼というイメージが私もあります。
食べたいときは、自腹です。刑事のポケットマネーで買い与えると、のちのち公判で「自供欲しさに利益供与したものだ」と、自白調書の任意性までが疑われてしまうからです。
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