アメリカ帰りの60歳・元エリートサラリーマン、定年退職後に届いた「税務署からのお尋ね」に困惑…後日〈追徴税250万円〉を課されたワケ【税理士が解説】

アメリカ帰りの60歳・元エリートサラリーマン、定年退職後に届いた「税務署からのお尋ね」に困惑…後日〈追徴税250万円〉を課されたワケ【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

国税庁の「所得税及び消費税調査等の状況」によると、コロナ禍以降、個人・法人とも税務調査の件数が大幅に増加しているそうです。たとえ会社員であっても税務署から目をつけられ、多額の追徴税を課されることも……。定年直後のエリートサラリーマンに起こった悲劇をもとに、税務署が個人に対して重点的に調査するポイントなどをみていきましょう。多賀谷会計事務所の宮路幸人税理士が解説します。

税務署が「海外資産」を把握できるワケ

昨今の急激な円安で、保有していた米ドルを日本円に替えたという人も多いのではないでしょうか? そこで為替差益が発生した場合、雑所得として確定申告が必要となるため注意が必要です。

 

また、海外口座から国内口座に100万円超の送金をする場合は、国内口座の銀行から税務署に支払調書が提出されることになっています。したがって、税務署は国内口座で日本円に替えた場合だけでなく、海外口座で替えた日本円の送金についても把握しています。

 

この支払調書に基づき、税務署は「国外送金等に関するお尋ね」という文書を対象者に送ります。

 

Aさんもこのような経緯で、今回「国外所得の申告漏れ」が発覚することとなったのでした。

富裕層がターゲット…税務署が重点的に調査する「6項目」

ここまで読んでも、税務署からの「お尋ね」や税務調査について他人事に思っている人もいるかもしれません。

 

しかし、国税庁が毎年11月に公表する「所得税及び消費税調査等の状況」によると、コロナ禍以降調査件数が大幅な増加傾向にあり、誰しも“明日は我が身”となっています。

 

また、同調査の「主な取組」では、積極的に調査対象とするものとして下記の6項目を挙げています。

 

1.富裕層

2.海外投資等を行っている個人

3.インターネット取引を行っている個人

4.無申告者

5.消費税の還付申告者

6.所得税の不正還付申告書における課税処理

 

資産運用の多様化が進んでいることなどを理由に、税務署は富裕層を重点的に調査していることを明らかにしています。

 

また、富裕層のなかには海外投資を行っている人も多く、海外投資等について調査を受けた富裕層の追徴税額は、1件あたり約1,068万円となっています。この金額は、所得税の実地調査全体の274万円と比較すると約4倍近い追徴税額となっており、“海外投資を行っている富裕層”はとりわけ調査対象とされているのがわかります。

 

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