お金だけでなく気持ちの壁も乗り越える必要がある
僕にとっては、FIRE前のこの半年間の思考期間は本当に重要でした。居酒屋に飲みにいくような、たかだか数千円の支出にそれだけモヤモヤしていたのは、今手元にあるお金が減ってしまうという怖さが原因。そしてそれは「仕事を辞めたあとに、自分の好きなことで収入を得られるかどうかわからない」という不安からくるものでした。
たとえ1億円持っていて投資でいくらか増えていく可能性があるとしても、定期的な収入がなければ十数年後には資産を食いつぶしてしまうでしょう。また大きな割合を投資に回している場合、早ければ数年後には現金がなくなってしまいます。やはり収入を得られる裏づけがない退職というのは、本当に怖いものです。
そしてFIREの半年前の僕は、まだ自分でどうやって収入を得ていくかという確固たるビジョンもなければ自信もない状態だったということ。なんとなく、「作家として生きていければいいな」とふんわりと思っていただけだった、というのが浮き彫りになったのです。
どんなことであれ、何かをして対価を得て生きていくということは、生半可な気持ちではできないもの。自分がこれからの人生をどうしていきたいか、腹をくくって決めないといけないわけです。
僕はその半年の間に何度も自問自答し、「やっぱり自分は一生会社員をして生きるのではなく、作家活動や講演活動で生きていく」という覚悟ができました。この覚悟ができてからは、ビジョンのないままFIREしようとしていた時期と比べると格段に自分の歩むべき道がクリアに見えてきています。
半年前、1億円貯まったからといって盲目的にFIREしなくて本当によかったと思います。FIREにはお金の面と気持ちの面と、双方から壁を乗り越えることが必要だったんだなということを、今になって痛切に感じます。
寺澤伸洋
作家/講演家
※本記事は『ぶっちゃけFIRE 手取り25万円で子育てしながら1億円ためる方法教えます』(主婦と生活社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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