前回は、からだの不調を解消するカンタン呼吸法の具体的なやり方について説明しました。今回は、引き続き、椅子に座ってできる、からだの不調を解消するカンタン呼吸法のやり方を見ていきます。

リラックスした状態で3つのステップを繰り返す

【カンタン呼吸法~椅子に座って行う場合~】

 

■STEP1 姿勢を整える

 

①背筋を伸ばして椅子に座ります。
「背骨を立てて、腰を下ろすこと」をイメージします。

②首固定を行い、あごを正しく引きます。
(首固定の行い方……首の骨を後ろに引きます。そして胸椎の中ほど、つまり背中の一
番後ろに張り出しているあたりを、胸側にへこませます。両肩が上がらないように注
意をして、「下に下ろす」とイメージしましょう)

③肩甲骨を外に開く。
(肩甲骨の開き方……肩を前に出しつつ、下へ下ろします。さらに「肩甲骨を外に開く」とイメージすることで、からだ全体に安定感が出てきます。「首固定」も同時に意識することで、胸が張った状態になり、肩甲骨は自然に大きく外に開きます。また腰が反りやすくなるので、腰が反らないように注意しましょう。むしろ、腰が膨らむように意識するとよいでしょう)

 

■STEP2 息を吸う

 

④逆腹式呼吸で、息を吸います(口からではなく、鼻から息を吸います)。「静かにゆっくり吸うこと」を意識して、お腹をへこませます。椅子に座った姿勢のまま、肛門を締めるようイメージします。

 

■STEP3 息を吐く

 

⑤逆腹式呼吸で、息を吐きます(口からでも鼻からでもかまいません)。「静かにゆっくり吐くこと」を意識して、お腹を膨らませます。椅子に座った姿勢のまま、締めていた肛門をゆるめて、リラックスします。腹筋はそのままで(なるべく膨らまないように)、体の後ろの背筋全体が広がることを意識しましょう。

※STEP2~3の呼吸法を、繰り返して3分間行います。

普段の姿勢の悪さも影響している「頭痛の原因」

カンタン呼吸法を行うと、頭痛や腰痛、耳鳴り、イライラ、肩こりなどが軽減し、解消し
ます。特に頭痛や腰痛には効果的です。

 

頭痛は「頭の病気やトラブル」が原因のこともありますが、それよりむしろ普段の姿勢の悪さが影響していることが多くあります。また姿勢の悪さに加えて、ストレスが過度に多い人の場合、特に頭痛が起こりやすくなる傾向があります。「頭が痛い」からといって頭痛薬にすぐに頼るのではなく、その原因をよく考えてみる必要があります。

 

カンタン呼吸法で姿勢を整えて逆腹式呼吸を行うと、酸素が全身、特に頭まで行き渡り、頭痛の軽減・解消につながります。

 

また腰痛は、整形外科などに通っても、改善はなかなか難しいものです。「年のせいですね」と他の医療機関で診断されたという人を診ることもよくあります。けれどもそのような患者でも、この呼吸法で痛みが軽くなることは多いものです。まず姿勢を正しくすることで、腰痛には非常によい影響を与えます。

 

さらに、肩甲骨から背骨を正しく整えれば、上半身からかかる腰への負荷も軽くすることができます。カンタン呼吸法は、ほかの不定愁訴の症状にもさまざまな効果を発揮します。仕事中のデスクでも、ぜひ試してみてください。

 

【図表】 カンタン呼吸法

本連載は、2016年2月28日刊行の書籍『1日3分で医者いらず こころとからだを整える「呼吸法」』から抜粋したものです。記載内容は予防医学の観点からの見解、研究の報告であり、治療法などの効能効果や安全性を保証するものではございません。

1日3分で医者いらず こころとからだを整える「呼吸法」

1日3分で医者いらず こころとからだを整える「呼吸法」

丸山 浩然

幻冬舎メディアコンサルティング

頭痛、肩こり、不眠、イライラなどの不定愁訴は、ホルモンバランスの乱れや環境ストレス、精神的ストレスなどにより、自律神経のバランスが崩れることで発症するといわれています。その解決のカギともいえるのが、理論に基づい…

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