「ツボ」と深く関わっている「気」の循環
前回の続きです。瞑想で大切なことは、気の循環を意識することです。気のエネルギーについては多くの研究が行われ、科学的にもその力が解明されつつあります。ここではいくつかの瞑想法を紹介します。いずれも、気の循環を意識しながら行ってみてください。
気は、「ツボ」と深く関わっていることが多いものです。たとえば手のひらには「労宮」というツボがあります。このツボは、もっとも気を出しやすく、もっとも気を感じやすいところです。人を癒す作用があるとされています。気功師が治療するときに、労宮のツボを使うことがよくあります。
また胸には「壇中(だんちゅう)」というツボがあります。胸はもともと「胸には感情が溜まりやすい」とされていますが、このツボは「心気宿る城」と呼ばれ、感情を受け止めるといわれます。
さらに、「労宮」を「壇中」に当てるというポーズは「緊急時の瞑想法」として知られて
います。胸に溜まったストレスを溶かす、自分を癒す方法です。このポーズをとる際は、特に「気が流れていること」を意識しながら行いましょう。
「労宮」と「壇中」のツボを重ね合わせるリラックス法
【緊急時の瞑想】
① 男性は、左手を胸に当ててから右手を重ね、女性は、右手を胸に当ててから左手を重ねます。いずれも、手にある「労宮」のツボを、乳首の中間にある「壇中」のツボに当てます。
②瞑想を行う。何も考えないようにしながら、腹式呼吸をすることに集中します。からだのこわばりをとり、リラックスするための瞑想もあります。非常に効果的ですが、簡単です。
【リラックスするための瞑想】
①「全身の筋肉の中に小さな虫がいて、からだ中で筋肉を引っ張っている」とイメージし
ます。
②それらの虫をからだから追い出すことを意識します。「からだの上のほうから虫たちが
下りて、足先から抜けていく」と想像するのです。
このリラックス法は、文章で読んでいるよりも、実際に行ったほうが簡単です。実際に試してみてください。心身を整えるための準備体操として、「心臓の鼓動を聞く瞑想」もあります。
【心臓の鼓動を聞く瞑想】
①なるべく静かな場所で一人になり、ゆったり座ります。5~10分、軽く目を閉じて姿勢を正して、深呼吸を続け、心臓を意識すると、その鼓動が聞こえてくるので、耳を澄ませます。
②「心臓が2拍子で鼓動している」とわかるほど、意識を研ぎ澄ませます。心臓の1拍目、2拍目の違いがわかるくらい集中して意識してみましょう。
③気持ちがよくなってくる感覚を、しっかりと味わいます。心臓の2拍目の鼓動とともに、全身に気のエネルギーが素早く広がっていくのを感じられるはずです。
瞑想を行うのは短時間でよいので、なるべく習慣づけるようにしていきましょう。いつから瞑想をはじめたのか記録して、ときどき振り返り「もう〇カ月経った」などと励みにすると長続きしやすくなります。