どうなってんだ!…59歳Aさんが年金事務所でキレたワケ
59歳のサラリーマンAさんは、定年まで残り1年を切っています。ある日、「退職するか、再雇用制度を利用するか迷っているので相談したい」と、FPである筆者に連絡がありました。
Aさんの職業は広告デザイナーです。美術系の大学を卒業後、大手上場企業に就職しました。25歳で懇意の先輩が勤める会社に転職してからは、さらなるキャリアアップを目指して3~5年ごと職場を変え、45歳で8社目の現在の会社に落ち着いたそうです。
筆者が「対面で詳しくお話を伺う際には、ねんきん定期便をお持ちくださいね」とお願いしたことから、Aさんは「そういえば、ちゃんと読んだことなかったな。俺っていくらくらい年金をもらえるんだろう?」と気になり、今年の誕生月に届いた水色の「ねんきん定期便」の封を開け、1ページ目から読み始めました。
気になる「ねんきん定期便」の中身は…
2ページの「老齢年金の種類と見込額(年額)」には、年金は65歳から204万円(月額17万円)と記載されています。現在の給与が月額約80万円のAさんは、「5分の1に減るのか、だいぶ少ないな……」と浮かない表情です。
また3ページの「これまでの『年金加入履歴』」に「表示している『年金加入履歴』に『もれ』や『誤り』がないかご確認ください」と記載されていたことから、Aさんは熟読。その結果、3つの疑問点が出てきました。
1.27歳から30歳まで勤めた会社の記録がないのではないか?
2.38歳~42歳までの「厚生年金基金」への加入について、身に覚えがない
3.加給年金をもらう資格はあるはずだが、記載がない。もらえないのか?
「公的な書類のはずなのに、ミスだらけじゃないか? それとも、俺が間違っているのか!?」焦ったAさんは、早速年金事務所の相談予約を取りました。「ちょっとどうなってんの!? 勘弁してくれよ!」と、つい窓口で声を荒らげる始末です。