俺が面倒みるから…実家暮らしの50代次男、認知症の80代母の口座から計6,000万円を出金→隠蔽成功!2年後「多額の追徴税」を課されたワケ【税理士が警告】

俺が面倒みるから…実家暮らしの50代次男、認知症の80代母の口座から計6,000万円を出金→隠蔽成功!2年後「多額の追徴税」を課されたワケ【税理士が警告】
(※写真はイメージです/PIXTA)

親が認知症になったのをいいことに、「悪知恵」がはたらいた50代のジロウさん。しかし2年後、税務調査により多額の追徴課税を受ける羽目に……税務署はこうした「預金の使い込み」をなぜ見破ることができるのでしょうか。事例をもとに、多賀谷会計事務所の宮路幸人税理士が詳しく解説します。

俺が面倒みるから…実家暮らしの次男が犯した“過ち”

【本事例の登場人物】※登場人物はすべて仮名

サチエ……80代。イチロウとジロウの母。認知症を患っている。

イチロウ……50代後半。長男。商社勤務。海外の支社で役員を務めている。

ジロウ……50代前半。無職。実家で暮らしている。

 

イチロウさんは、母サチエさんと弟ジロウさんの3人家族です。父は数年前に亡くなっており、その際はイチロウさんの提案で、イチロウさんとジロウさんが相続放棄し、父の遺産は母のサチエさんがすべて相続しました。

 

父は自宅や現金のほか、株式や不動産なども保有する資産家でした。もっとも、相続にあたりイチロウさんは海外勤務のためいつ日本に帰ってくるかわからず、またジロウさんにも株式や不動産を管理できる自信がありません。そこでサチエさんも交えて相談した結果、自宅を除いてすべて現金化することにしました。

 

相続税を支払ったあと、自宅と現金約3億円が母サチエさんのものに。3億円もあれば、老後の資金としては十分です。無職で母と2人実家に暮らすジロウさんは、「責任もって俺が面倒みるから。兄貴は自分の家庭を守ってくれ」と言いました。

 

しかし、夫が亡くなってからというもの、どんどん弱っていくサチエさん。徐々に認知症の症状がみられるようになりました。

 

悪知恵がはたらいたジロウさんは、母親の認知能力がまだ残っているうちにと、母親からキャッシュカ-ドの暗証番号を聞き出し、預金を自由に引き出せるようにしました。もちろん、兄のイチロウさんには伝えていません。

 

やがて認知症の症状が悪化したことから、サチエさんを施設に入れることになりました。すると、介護の必要がなくなり実家にひとり残された次男は、自由に引き出せる預金を使ってギャンブルにのめり込んでいきます。

 

みるみるうちに金遣いが荒くなり、母親が施設に入ってから亡くなるまでの3年間で、なんと約6,000万円もの現金を母親の口座から出金していたのでした。

 

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