要注意!離婚時に取り決めても…養育費を「支払わなくてもよい」と判断されるケースとは【弁護士が解説】

要注意!離婚時に取り決めても…養育費を「支払わなくてもよい」と判断されるケースとは【弁護士が解説】

養育費はいつまで支払わねばならないでしょうか? 基本的には子どもが成人するまでですが、途中の親や子のそれぞれの事情により、「支払わなくてもよい」と判断されるケースもあるため注意が必要です。本記事では、Authense法律事務所の弁護士白谷英恵氏が、離婚後の養育費について解説します。

養育費の計算方法

では、養育費の金額はどのように計算するのでしょうか?

 

一般的には、「養育費の算定表」を用いて計算します。養育費の算定表とは、裁判所が公開している養育費の相場を示す表です。

 

算定表にあてはめると、子どもの人数や年齢、親の年収に応じた相当な養育費の金額を求めることができます。基本的な考え方としては、支払う親の年収が上がれば養育費の金額が上がり、受け取る親の年収が上がれば養育費の金額が下がる仕組みです。

養育費の支払期間は延長・短縮できる?

養育費の支払い終期は、両親が合意をしていればその時期、合意がなければ、基本的に子どもが20歳になるまでです。ただし、子どもや親を取り巻く事情に大きな変更があった場合、養育費の支払い終期を変更できる可能性があります。ここでは、どういったケースで養育費の支払期間を延長、あるいは短縮できるのか解説しましょう。

 

成人後の子どもの事情

成人後の子どもの事情によっては、成人をしたあとであっても養育費の支払い義務が継続される可能性があります。たとえば、次のような場合です。

 

■大学に進学した場合

まず、子どもが大学や大学院、専門学校などの高等教育機関へ進学した場合があります。

 

子どもが20歳の誕生日を迎えても、養育費を受け取れるケースはよくあります。進学すると子どもは自活するだけの収入を得られませんし、学費もかかるでしょう。親として養育費を負担すべきケースが多いと考えられます。

 

具体的な養育費の支払期間は、子どもが学校を卒業するまであるいは学校を卒業するはずの月までと定めるケースが多いでしょう。たとえば、「子どもが22歳になった次の3月まで」などと定めておけば、子どもが浪人、留年した場合に支払期間が延びるリスクも低減できるため、支払う側も納得しやすいでしょう。

 

■未成熟子の場合

養育費は「未成熟子」について負担するものです。未成熟子とは、独立して生きていくことのできない子どもです。

 

必ずしも「未成年」とは一致しません。たとえば、大学や専門学校へ通って自活できていない場合、病弱で働けない場合などには「未成熟子」とみなされるケースが多いでしょう。未成熟子の場合、成熟するまで養育費が必要なので、子どもが独立するまで別居親が養育費を負担しなければならない可能性があります。

 

■障がいがある場合

子どもに障がいがあって働けない場合にも、養育費の支払い終期が変わるケースが多いです。重度の障がいがあり働けない場合には、年齢にかかわらず自活は難しく、養育費がからなければと生活の見通しが立たない場合があるでしょう。

 

よって、親が子どものために養育費を負担すべきと考えられます。いつまでも支払うことが難しい場合には、親同士で話し合って、お互いが可能な範囲で子どもの生活費を負担する方法を取り決めましょう。

 

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