50人規模の会社なら社会保険料が年400万円近く節減!?
昨今、「社会保険料倒産」という言葉が世間を騒がせています。中小企業のなかには、毎月、数百万円の社会保険料(会社は、従業員と社会保険料を折半で支払う)を納めている会社はザラにあります。この保険料は、年々上がっていて、今では、労使双方を合わせると人件費の25%くらいを占めるまで肥大しています。その負担はとても大きなものです。それが重荷となって、倒産してしまう会社もけっこうあるのです。
企業型DCを導入すれば、その負担はかなり軽減されるばかりか、軽減された分をうまく内部留保したり設備投資に使えれば、会社の財政が強化されてゆくのです。では、第1回目の連載でご紹介したU社長を、どうやって救うかをシミュレーションしてみましょう。
U社長の会社には約50人の従業員がいます。この会社で、従業員1人ひとりが、月々3万円の掛金を積み立てたことにして、ちょっと計算してみましょう(全国のDCの平均積み立て額は約3万5000円)。
DCで拠出した掛金は所得から控除されるので、社員の社会保険等級が2等級下がります。すると、会社負担額が、1人あたり約6500円減額となります。「50人×6500円×12カ月」これだけで、年に390万円も節約することができます。
これを10年間続けるといくらでしょう? 3900万円です。地方の地価の安いところでしたら、4階建ての小さな中古ビルを現金で買える金額です。あるいは、これを支払いの原資にすれば、もっと大きな新築の自社ビルを建てることもできます。
実際は、会社が支払う管理手数料等があるので、額はもう少し下がりますが、それでも、長い間続けていけば、会社に残る金額にかなりの差が出てくるということです。
DCの導入で社会保険料の大幅削減が可能
もし、Uさんのように会社経営に悩んでいる経営者がいたら、対処できる方法があるのに対処しないばかりに倒産をするよりも、1日も早くDC制度を導入するべきだと私は思います。必ず、会社の未来が開けるはずです。
かくいう私の会社の自社ビルは、DCを導入しただけで建ったわけではありません。が、会社を経営する上で大きな負担となる社会保険料を大幅に削減するのに、DCの導入が多大な貢献をしたことは確かです。
余談ですが、U社長はその後「先生ありがとう、これで社会保険料を減らしながら会社もうまくやっていけそうだよ。導入手続きの説明も社員にとってわかりやすくて、助かりました」と言って喜んでいただけました。