「老後資金、一体いくら準備すれば…」お金の困りごとを回避するため、最低限知っておきたい〈ライフプラン上の重要ポイント〉とは【FPが解説】

「老後資金、一体いくら準備すれば…」お金の困りごとを回避するため、最低限知っておきたい〈ライフプラン上の重要ポイント〉とは【FPが解説】
(画像はイメージです/PIXTA)

人生の万一にも慌てないよう、事前にしっかり考えておきたい「ライフプランニング」。困ったときには、ファイナンシャル・プランナー(FP)に相談するのも選択肢です。ここでは、FPを活用すべき相談の種類と、ライフプラン上でとくに重要な課題についてわかりやすく説明します。FP資格も持つ公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

「老後資金、どれくらい準備するべき?」お金の悩みは尽きないが…

「毎月の家計の赤字、どうやって対処したらいいの?」

「家を買いたいけれど、いまの予算で問題ない?」

「老後資金はどれくらい準備するべき?」

 

などなど、人生では、いろいろなお金の悩みに突き当たることがあります。自分で対処できればいいのですが、難しいケースもあるでしょう。そんなときは、お金のプロであるファイナンシャル・プランナー(=FP)に相談してみる、という選択肢もあります。

 

FPはお金のプロであり、職業倫理に基づいて、いろいろなライフプランに関連するアドバイスをしてくれます。

 

FPは高い職業倫理を持ち、顧客の利益を最優先に考え、顧客の信頼を基盤に業務を行い、節税対策や個人情報の保護など、法的な枠組み内でサポートを提供します。また、顧客に対する説明責任を果たし、インフォームド・コンセントの原則に従ってサービスを行います。

 

また、関連法規に照らし合わせ、税理士法や保険業法、金融商品取引法、弁護士法など、専門分野の法律を遵守します。これらの法規は、FPが提供できるサービスの範囲を定めており、無資格で許可されていない業務を行うことは禁止されています。

軸となるのは遺族生活保障、住宅・教育・老後資金も重要課題に

ライフプランニングは、人生の各段階に合わせた財務計画が重要です。FPは、ライフイベントごとの資金ニーズを把握し、キャッシュフロー表やバランスシートを作成して相談者の財務状況を評価し、それにより、相談者が安心して人生を歩めるようサポートしてくれます。

 

ライフプランニングの柱となるのは、遺族生活保障の計画です。たとえば、家計を支える世帯主が亡くなったとき、遺族が経済的に困らないよう、生活費や教育費をカバーする生命保険が重要になります。遺族生活資金の必要保障額は、子どもの成長に応じて変動し、配偶者の収入や年金も考慮されます。

 

FPは提案書を作成のうえ、相談者のライフプランに基づいた資金計画を提示します。この計画は、住宅購入、子どもの教育、老後の生活資金に関わるもので、相談者の現状のみならず、必要資金、資金調達方法も明確になります。

 

住宅資金は、購入時の諸費用や住宅ローンの選択、返済計画が重要です。自己資金の準備、ローンの種類、返済方法について綿密な計画が必要です。教育資金プランニングでは、学校の種類、教育プランに応じた費用計算、資金形成の方法を検討します。

次ページ適切な「老後資金計画」には、社会保険制度の理解が不可欠

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