同じ年収1,200万円・30年来の同期の59歳、2人の部長…「俺の退職金のほうが、1,500万円も少ない」と悲鳴「60歳で収入激減なのに、あいつは旅行三昧」妻に陳謝【FPの助言】

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(※写真はイメージです/PIXTA)

入社から退職までを通じた勤務に対して支給される退職金。基本的には働いた期間が長ければ長いほど金額は大きくなります。しかし、同期で同じ年収、同じ役職でも退職金額に大きな差が出るケースがあって……。本記事ではAさんとBさんの事例とともに、退職金の注意点について、オフィスツクル代表の内田英子氏が解説します。

老後生活資金のために、退職金は計画的に運用を

退職金はいわゆる後払いの給与であり、公的年金とともに老後生活資金となるため、退職金額の多寡によって老後生活の見通しは変わるといっても過言ではありません。

 

同様のキャリアを経てきた同僚との退職金額の差に直面したAさんは、今後の見通しを悲観して筆者のもとにご相談にいらっしゃいました。話を聞いた妻からもなじられ、どうしてこんなに差がでるのか理解できないと困惑されていたため、企業型確定拠出年金のしくみとともに過去のデータに基づく運用シミュレーション結果をお見せしました。

 

説明を聞いたAさんは、「会社での勉強会でも運用により差が出ると聞いてはいたけど、自分の退職金がこんなに変わるとは思ってもみなかった。もっと早くにちゃんと知って活用しておけばよかった」とおっしゃいました。その後は妻に事情を説明し、謝り続けることになったそうです。

 

老後生活は資産の取り崩し期に入る一方、取り崩しが長期にわたるケースも多いため、資金を計画的に準備し、できる限り早い段階で取り崩し方針を立てておくことが大切です。実は後日わかったことですが、同僚のBさんは早くからそのことに気づき、価格変動型で運用することとあわせてマッチング拠出という掛金額を増やす仕組みを活用して、退職金額を増やしていたのだそうです。

 

キャッシュフロー表を作成して今後のシミュレーションを実施してお話をうかがっていくと、Aさんには家計を見直し、支出を減らし、取り崩しを減らすことで資産寿命を延ばす方法が合っていることがわかりました。

 

通信費などの固定費を中心に支出を見直し、年間約40万、30年間では1,200万円の支出を削減したことで、今後5年間では年間100万円の貯蓄を確保し、結果的に1,700万円の効果を生み出せる見通しをたてることができました。

 

「得られたかもしれないお金にばかり意識が向いていましたが、できることはあるんだとわかり、気持ちが楽になりました。資産の寿命を延ばすのは、今あるお金に働いてもらう資産運用だけが方法ではないんですね」そうおっしゃって心機一転、人生のセカンドステージへと踏み出されました。

 

内田 英子
FPオフィスツクル
代表

 

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