中東緊迫化で日経平均急落。静観が賢明…「すぐには戻らない」といえるワケ【ストラテジストが解説】

中東緊迫化で日経平均急落。静観が賢明…「すぐには戻らない」といえるワケ【ストラテジストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、マネックス証券株式会社が2024年4月19日に公開したレポートを転載したものです。

今回ばかりは「落ちてくるナイフ」をつかめない

筆者はよく、「落ちてくるナイフ」をつかみに行くが、今回ばかりは見送ったほうが正解だと思う。

 

なぜなら中東情勢が仮に短期で収束、落ち着いたとしてもすぐには戻らないだろうと思うからだ。理由は2つ。

 

1.相場の常道として「一度、大きく壊れてしまうとなかなか戻りにくい」という特徴がある。その理由は(何度も書いているが)「値段の調整はついても玉(ポジション)の調整には時間がかかる」からだ。加えて、近年ではリスクパリティなどの兼ね合いもあって、なおさらリスクオフの時間が長引く可能性がある。
 

2.ファンダメンタルが悪すぎる。日本株は「内憂外患」の状態だから、中東情勢が片付いても地合いは悪い。「外患」は前々回指摘した米国株の割高さ。「内憂」は国内のデフレ脱却が危うくなりかけていることだ。小売りの決算にみられる値上げ一巡の流れが続けば、完全なるデフレ脱却が遠のきかねない。

 

 

広木 隆

マネックス証券株式会社

チーフ・ストラテジスト 執行役員

 

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