患者数は毎年300万人超え…“うつ病”で配偶者が働けないから、を理由に「離婚」することが非常に難しい理由【弁護士の助言】

患者数は毎年300万人超え…“うつ病”で配偶者が働けないから、を理由に「離婚」することが非常に難しい理由【弁護士の助言】

現代のストレス社会ではうつ病の人が増えているとメディアで報じられています。もし夫がうつ病になり仕事ができなくなった場合、家庭生活にも大きな影響がおよび崩壊することもあり得ます。本記事では、Authense法律事務所の弁護士白谷英恵氏が、うつ病を発症し働けなくなった夫と離婚できるのか、また慰謝料を請求できるのか、詳しく解説します。

うつ病を理由に離婚したい場合、該当する離婚事由は?

離婚をする場合、その理由が民法770条で定められた離婚事由に該当しなければなりません。

 

民法第770条

第一項 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。

二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

 

配偶者のうつ病が理由で離婚したい場合は、「四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。」の条項が該当します。うつ病の状態が「強度の精神病」であり「回復する見込みがない」かが調停や裁判で争点になります。

回復見込みのない強度の精神病でも離婚は難しい?

配偶者のうつ病が「回復見込みのない強度の精神病」と判断してもらうには、医師など専門家に以下の病名に該当するかを鑑定してもらう必要があります。

 

ヒステリックやノイローゼ気味などといった性格的なものや一時的な状況は精神病と認められません。

 

・統合失調症(精神分裂病)

・躁うつ病

・アルツハイマー病

・認知症など

 

しかし、たとえ「回復の見込みがない強度の精神病である」と医師が判断したとしても、裁判所は簡単に離婚を認めません。民法752条は、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と夫婦の同居、協力、扶助義務を規定しています。

 

配偶者が病気になったらもう一方が扶助しなければなりません。回復見込みがないと判断されたからといって離婚が成立してしまえば、病人である配偶者の生活は窮地に陥ります。また配偶者は望んでうつ病にかかったわけではなく、精神病であると裁判所がすぐに離婚を認めてしまえば人権問題になると考えられているからです。

 

そのため配偶者のうつ病が離婚原因の場合、「強度の精神病で回復見込みがない」ことに加え、以下の条件も離婚請求を認めるか否かの判断基準になっています。

 

・強度の精神病により正常な結婚生活を送ることが困難である。

・これまで配偶者の病気に理解をし、生活面や精神面で助けてきた。

・離婚後、配偶者の生活に見通しが立っている(親や親戚など援助してくれる人がいる)。

 

これらの条件をすべて満たす必要がありますので、配偶者のうつ病を理由に離婚が認められるのは難しいといえるでしょう。

 

裁判所で「回復の見込みがない強度の精神病」と認められた判例

過去の判例では、「単に夫婦の一方が不治の精神病にかかったとしても、病人の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的方途を講じ、ある程度見込のついた上でなければただちに離婚の請求は許さない」としています(最高裁昭和33年7月25日判決)。

 

一方、配偶者が精神病で離婚が認められた以下の事例があります。

 

(最高裁昭和45年11月24日判決)

Aさんは生活が厳しい中、8年間にわたり精神病である妻の療養費を払い世話してきました。妻の実家に財力があり、離婚後も可能な範囲で療養費を払う意思があることと夫婦の子を養育することを示し、離婚が認められました。

 

「配偶者の生活等についての具体的方途」とは、配偶者の看護をしてくれる人がいること及び、金銭面で療養・生活の継続が可能かどうかです。

 

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