「これがオレの限界だ」50代万年課長、出世頭打ち&役職定年間近にションボリ…今後のキャリアプランをどうすれば【FPが助言】

「これがオレの限界だ」50代万年課長、出世頭打ち&役職定年間近にションボリ…今後のキャリアプランをどうすれば【FPが助言】
(画像はイメージです/PIXTA)

人生100年時代、60歳定年後も長い時間が残されています。今後の生活はもちろん、生きがいを持つためにも「定年退職後のキャリア・プランニング」が求めらえています。役職定年となるタイミングから、それ以降のキャリア形成について、少し立ち止まって考えてみましょう。FP資格も持つ公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

出世の見込みナシ、役職定年も近く…50代課長の悲しみ

50歳を過ぎ、私も役職定年が近づいてきました。万年課長で、当然ですがこれ以上の出世は見込めません。自分の能力の限界は、頭では理解しているものの、今後の会社での処遇を考えると、正直みじめな気分がぬぐいきれず、うつうつとしてしまいます。かといって、退職すれば今と同じ給料を得るのは難しく、このタイミングで退職するという選択肢はありません。毎日ため息ばかりで、とてもツラいです。

 

江戸川区在住 52歳 男性

 

筆者は仕事柄、定年前後のサラリーマンの方の相談に乗ることがよくあります。

 

サラリーマン人生、40代なら仕事への意欲も充分です。部下を指導する立場にありながら、自身の仕事だってバリバリこなすことができるでしょう。ですが、50代に入って定年が近づいてくると、いよいよ会社での自分のゴールが見えてきます。

 

企業によっては、50代で役職定年制を導入しているところも多く、働く側からすれば、役職が外れてしまったあと、どのようにして自分自身の〈仕事への意欲〉を引き出せばいいのか、一体なにを目的に働けばいいのか、悩んでしまうかもしれません。

 

残酷な話なのですが「会社から見た自分への評価」が明らかになるのが、役職定年だといえるでしょう。

 

昇進の見込みがなくなれば、「役職定年」から「本当の定年」までの職務内容も、おおよそ予測が立つようになり、その次は、定年の60歳後に再雇用されて働くかどうかという問題にも直面することになります。

 

同じ会社に再雇用されて働き続けるのか、それとも思い切って職場を離れ、新天地で頑張るか。多くの方はこの2つに悩み、迷うのです。

給料減額、部下もつかず、関連会社に転籍となることも

実際に役職定年になると、どのような状況が待っているのでしょうか。

 

役職定年後は多くのケースで「管理職から外れる」「給与が下がる」ことになりますが、場合によっては「子会社やグループ会社へ出向する」場合もあります。年下の上司の下に配属されたり、部下もなく1人で働かされたりすることもあるでしょう。

 

「いままで会社に尽くして働いてきたのに」

「なぜもっと上のポジションに行けなかっただろう?」

「いや、これがオレの限界なんだ…」

 

といった思いがこみ上げてくるかもしれません。

リスキリングで「スキルアップ」を目指そう

筆者はこのような悩みを抱える50代のサラリーマンの方々に「ぜひ本当にやりたいことに取りかかってください」とお伝えしています。

 

定年退職しても、働き続ける期間はまだ10年以上残されています。自営業なら、もっと働き続けることになります。

 

思い切って、ご自身の能力や経験を評価してくれる中小企業に転職をするというのも有力な選択肢です。また、いままで培ってきたスキルを活用して国家資格等を取得し、定年のないフリーランス・自営業の道へ進むという方法もあります。

 

 

その際に、「リスキリング」によってスキルアップすれば、さらに選択肢は広がるはずです。最近は、中小企業診断士やファイナンシャル・プランナーの資格を取得して独立・開業する50代の人たちが増えています。

 

しかし、定年退職後にこれらについて検討を始めるのではなく、50代から積極的にキャリアの再設計を行うことが大切です。役職定年を悲しむのではなく、責任が少し軽くなったタイミングで、専門性を追求し、国家資格の取得を目指すことをお勧めします。

 

早めに準備をして備えれば、定年退職後の安定した収入確保・充実したセカンドキャリアの実現の可能性が高まるでしょう。

 

 

岸田 康雄
公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)

 

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