(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの人は「国家公務員=生涯安泰」というイメージを抱いているが、本当にそうだろうか? 人事院の資料を見ると、想像を大きく超える事実が見えてきた。

家計の状況、2割の人は「常に赤字」

国家公務員は退職金も年金も潤沢であり、民間企業に勤める人より老後生活はラク――。そんなイメージを持っている人も多いと思うが、実際のところはどうだろうか?

 

人事院が定年退職した国家公務員を対象に行った『令和5年 退職公務員生活状況調査報告書』から、国家公務員の老後の状況を見てみよう。

 

現在の本人の平均収入額は「21万~30万円」が26.3%で最多。住居は「持ち家でローン完済済み」が56.6%と半数を超えるが、「持ち家でローン返済中」という人も24.3%で、およそ4人に1人の割合となっている。

 

Q.本人の平均収入額は?

・10万円以下…9.5%

・11万~20万円…14.9%

・21万~30万円…26.3%

・31万~40万円…10.9%

・41万~50万円…4.0%

・51万円以上…3.8%

 

Q.現在の住まいは?

・持ち家(ローン完済)…56.6%

・持ち家(ローン返済中)…24.3%

・賃貸(公営/民間)…10.1%

・公務員宿舎…6.0%

 

現在の家計の状況だが、なんと赤字の人がおよそ4割で、2割弱は「常に赤字」と回答している。

 

Q.世帯の家計の状況は?

・十分ゆとりがある…3.7%

・いくらかゆとりがある…14.3%

・ゆとりはないが赤字でもない…38.8%

・毎月のやりくりに苦労し、時々赤字になる…23.3%

・常に赤字で生活が苦しい…18.2%

 

国家公務員でも、悠々自適な老後を送れるとは限らないという実態が見えてきた。また、「定年後に働きたいと思ったか」を尋ねると、8割以上が現役続行を希望。理由の多くは「生活のため」だという。

 

Q.定年退職後も働きたいと思ったか?

・はい…83.3%

・いいえ…16.4%

 

Q.定年後も働きたいと思った理由は?

・日々の生計維持のために必要…85.7%

・社会との接点や生活の張り・ 生きがいを持ちたい…44.0%

・経済的により豊かな生活を送りたい…38.1%

・仕事を通じて社会や職場に貢献したい…34.4%

・健康維持のために必要…31.4%

・資格・技術を活用したい…9.7%

 

そして現在の就労状況を尋ねると、9割弱が就労中だ。

 

Q.収入を伴う仕事をしているか?

・仕事をしている…87.6%

・仕事をしていない…12.0%

 

年金だけでは生きていけないというのは、公務員もまた同じ。若いときから資産形成しない限り、「ゆとりの老後生活」を手に入れるのは困難なのだ。

 

 

 

[参考資料]

人事院『令和5年国家公務員給与等実態調査』

内閣官房内閣人事局 『国家公務員の給与(令和5年版)』

内閣官房内閣人事局『退職手当の支給状況』

厚生労働省『令和5年就労条件総合調査』

一般社団法人 日本経済団体連合会『2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査』

人事院『令和5年 退職公務員生活状況調査報告書』

 

 

 

 

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