フィリピン住宅マーケットの現状と2024年の動向
2023年第4四半期、フィリピン中央銀行(BSP)のデータによると、全国の住宅価格は大幅な鈍化が見られました。住宅不動産価格指数(RREPI)は、10月から12月までの期間に年間で6.5%上昇しました。これは、前四半期の12.9%の拡大や1年前の同期間の7.7%の成長よりも鈍いペースであり、2022年第2四半期の2.6%以来、最も低い成長です。四半期ベースでは、全国の住宅価格が3.6%下落し、2四半期続いたプラス成長が止まっています。
Colliers International PhilippinesのリサーチアソシエイトディレクターであるJoey Roi H. Bondoc氏は、四半期間の価格の減少は、四半期の住宅需要の低迷に起因する可能性があると述べました。特に海外フィリピン人労働者(OFW)の送金に依存している人たちが、ホリデーシーズンや自動車を含む他の大きな支出に資金を振り向けた可能性を指摘しています。
住宅不動産価格指数は、異なる住宅タイプや場所の住宅物件の平均価格変動を追跡していますが、これにより中央銀行は銀行の貸出に対する規制を行う不動産市場の状況をチェックしています。
中央銀行のデータによると、戸建住宅の価格は前四半期の16.8%プラスや前年同期の10%の成長よりも低いペースで年間9.5%上昇しました。タウンハウスの価格の増加幅は、前四半期の9.3%増からは落ち着き、4.9%増となりましたが、2022年の同期間の6.8%減からは反転しています。またマンションの価格は、2023年第3四半期より8.3%増。前年同期と比べると、増加幅は落ち着いています。
マニラ首都圏(NCR)では、住宅物件価格が4.3%上昇。前四半期の12.3%の上昇や前年の16.1%上昇よりは低い上昇幅でした。これに対し、マニラ首都圏外の住宅物件価格は7.8%増で、前年同期の4.5%増よりも大きな上昇幅であるものの、前四半期の14.3%よりも鈍いペースです。
2023年第4四半期、すべての種類の新築住宅に対する住宅ローンは、年間30.5%増を記録。NCRとNCR外の住宅ローンはそれぞれ38.5%と26.6%増加しています。フィリピン全体での新築住宅の平均価格は1平方メートル当たり89,042ペソで、NCRの平均は134,178ペソ、NCR外の平均は65,186ペソ。
Colliers International Philippinesは、メトロマニラにおけるプリ・セリング市場のマンション価格の実質的な増加は見込んでいないものの、OFWからの送金を受け取る世帯で戸建人気が継続するという予測から、2024年内は、不動産価格の継続的な上昇が見込まれると予想しています。
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