デキる人がしていること(2)勤勉に働く
雇いたいと思わせる人の特徴の2つ目は、勤勉そうに見えることだ。なぜそう見えるかというと、たいていは本当に勤勉だからだ。人はよく、実力が足りない部分を勤勉さで補おうとする。そして真の実力者は、とにかく勤勉に働く。
才能はあるが怠け者かもしれない人と、才能はそれほどでもないが勤勉そうな人ー企業の採用担当者は、どちらを選ぶか悩むことがある。しかし、能力が同じくらいに見える場合は、いつも決まって勤勉そうな人のほうを選ぶ。85%の確率で、勤勉そうな人のほうがやる気のなさそうな人よりも業績を上げるからだ。
つまり、もしキャリアで成功したかったら、何よりもまず努力しなければならないということだ。どんなに才能があっても関係ない。自信があるかどうかも関係ない。
こんなことは今さら言うまでもないのだが、ただ会社に行っていればキャリアで成功できると信じている人があまりにもたくさんいる現状を考えると、やはりこうやって努力と勤勉の大切さを長々と説明せざるを得なくなる。
目標を達成してしまうとやる気や向上心は消え、そして達成したことで自信が生まれる。だから自信はなるべく低く保ち、やる気と向上心を持ち続けたほうがいいだろう。
デキる人がしていること(3) 人から好かれる
デキる人に共通する特徴の3つ目は、人から好かれることだ。もちろん、どうせ雇うなら、感じの悪い人や、退屈な人、めんどくさそうな人よりも、感じのいい人のほうがいいだろう。
そこで、ここでもまた、考えてみれば当たり前だが、あまり実践されていないアドバイスをしたいと思うーキャリアで成功したいのなら、人に親切にしなければならない。または少なくとも、イヤなやつになってはいけない。
誰かに雇われて働いているなら、あなたの出世と成功を決めるのは上司だ。正しい世界であれば、上司はあなたの仕事ぶりや会社への貢献度を評価の基準にするだろう。しかし現実の世界では、完全に客観的な評価ができる上司はほとんどいない。その部下が好きかどうかということが、当たり前のように評価に影響する。
だから、キャリアで成功したいなら、上司に好かれることが大切だ。上司には愛想よくして、反抗的な態度は取らないこと。上司の頭痛の種になってはいけない。むしろ一緒にいて楽しい部下になろう。そうすれば、思ったよりも早く出世させてもらえるだろう。
そしてもう1つ大切なのは、上司が特定の部下を好きになっても、組織にとって必ずしも害にはならないということだ。むしろいい影響を与えることのほうが多い。上司に好かれるような人は、同僚にもいい印象を与える。彼らは職場の雰囲気をよくし、チームの結束を強め、士気を高める。その結果、会社の業績も上がるのである。
キャリアで真の成功者になりたいのなら、人に親切にしなければならない。親切で思いやりがある人だと思われるように努力しよう。そして「ダークサイド」は隠すこと│同僚に見せないのはもちろん、特にボスに見せてはいけない。傲慢な態度がいい結果につながることは絶対にない。
しかし、親切にしていれば、ほぼ必ず見返りがある(時間はかかるかもしれないが)。この点に関しては、アカデミズムの世界ではめったにないことだが、すべての専門家の意見が一致している。
『ビジョナリー・カンパニー』(日経BP社)の著者であるジム・コリンズは、『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌に寄稿した記事の中で、最高の企業リーダーは、つねに厳しいプロ意識と謙虚な態度を併せ持っていると書いていた。
人とうまくやれる能力は、マネージャー職に昇進するのに必要な条件であり、組織を成功に導くようなリーダーは必ずこの資質を備えている。他人の気持ちに敏感な人は、雇われるし、昇進もできる。逆に他人の気持ちがわからない人は、解雇されるか、組織を滅ぼす。