仕事で自信を高める方法(本当は自信は必要ないけれど)
実際のところ、キャリアで成功するために自信を高めるのは無駄な努力だ。現に私が知っている中でトップクラスの自信家たちは、仕事でまったく成功していない。裕福な家庭に育ち、いい教育も受けているのに、出世どころか就職さえままならない状態だ。
この自己愛過剰の社会は、理想だけは高く、そのくせ必要な努力はしない人、または必要な才能を備えていない人であふれている。こういった人たちは、部下にするとことさらやっかいだ。どんどん傲慢になり、勘違いが大きくなり、そして社会に対して恨みを募らせていく。
大切なのは、自分の内なる声を聞けるのはあなただけであり、声を気にかけているのもあなただけということだ。他の人は、あなたのキャリアの自信なんてたいして興味を持っていない。彼らが知りたいのは、あなたに能力があるかどうかということだけだ。
自信と実力を見分ける能力のない人は、外側の自信を頼りにあなたの実力を判断することになるが、それでも実力にしか興味がないのは同じだ。
能力レベルの高さを他人に見せることができれば、キャリアで成功できる確率も高くなる。そして能力レベルの高さを自分に見せることができれば、キャリアの自信が大きくなる。論理的に考えて、前者が後者の前提条件になるだろう。本当の意味でキャリアが発展すれば、それはそのまま自信につながる。
もちろん、自信がないのは、もしかしたら自分に厳しすぎることや、悲観的な性格が原因で、本当は自信を持ってもいい状態なのかもしれない。しかし、非現実的な自信のなさ(完璧主義者の自己批判)に対処する方法も、現実的な自信のなさに対処する方法とまったく同じだ。
つまり、実力を高めるしかない。勘違いではなく、本当の意味で自信をつけるには、実際に成功するしかないということだ。そして実際に成功するには、実力をつけなければならないーそれ以外の方法は、すべて無意味だ。
つまり結論は、キャリアの成功に自信は必要ないということだ。むしろ自信はないほうが、「雇われる人材」に必要な3つの要素を身につけることができるだろう。自信がない人は、もっと実力をつけるために専門技術を磨き、自分の実力不足を補うために勤勉に働き、そして傲慢でイヤな人間にならないように気をつけるからだ。
トマス・チャモロ=プリミュージク
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン教授
コロンビア大学教授
マンパワーグループのチーフ・
社会心理学者/大学教授
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