チャンスをつかむ人がしている3つのこと
もしキャリアで成功したかったら、雇用可能性を高めなければならない。しかし、どうやって?
スキルの種類も雇用の種類も無数にあるが、雇用可能性を高めるために必要なことはそんなに多くない。実際、いちばん大事な要素はいつも同じだーそれは、能力がありそうに見せることだ。
雇用主が雇いたいと思うのは、自分のビジネスにプラスの貢献をしてくれそうな人や、自分が儲けるのを助けてくれそうな人だろう。つまり雇用可能性があるとは、上司や雇用主にとって、魅力的なビジネスパートナーに見える人、魅力的な部下に見える人ということだ。
それでは、なぜ雇用可能性が高い人と低い人がいるのだろうか。その答えは、デキる人がしている3つのことに集約される。
デキる人がしていること(1) 実力を見せる
仕事のできる人は、例外なく能力がありそうに見える。もちろん、同じ人でも、分野によっては能力がありそうだったりなさそうだったりするだろう。しかしここで大切なのは、雇用主やクライアントの目から見て、仕事に必要な能力をどれだけ持っていそうかということだ。
一流大学を出ている人や、履歴書に書けるスキルや資格(たとえば、語学、パソコン、運転免許など)がたくさんある人は、その分野での能力があると判断される。もちろん、その判断が正しいとは限らない。
なぜなら、本当の能力は実際に雇ってみるまでわからないからだ。雇用主にできるのは、情報を集め、データに基づいて判断することだけだーそこで参考になるのが、履歴書、面接、テストなどになる。
だから、まずは履歴書作りに念を入れよう。時間をかけて書き、他の人にも見せて、履歴書から受けるあなたの印象を教えてもらう。究極的に、これは先手を打って、自分から能力のあるところを見せるということだ。面接の練習をする。必要な情報を集める。さまざまなソフトウェアが使えるようになる。そう、専門家になろう!
たとえ面接で力を発揮できなかったとしても、きちんと準備してきたことが伝わればそれほど問題にならない。ここで大切なのは、ある事柄について本当に知識があれば、緊張していくつかど忘れすることがあっても、知識があるという事実は周りに伝わるということだ。
結果が出せるかどうかはパフォーマンスにかかっているが、パフォーマンスの成否を決めるのは準備だ。そして前にも見たように、自信がありすぎると準備を怠ることになる。何かの能力があるなら、人は必ず気づく。しかし能力がなくても、ときには「あるふり」が通用することもあるのだ(特に他人の能力を正確に見る目を持たない人はだましやすい)。
誰から見ても本物と認められている人だけが、自信のあるふりをしなくても許される。それに加えて、本物の実力者は、むしろ自信のないふりをすることで実力を見せつけることができる。
とはいえ、最近の成功者たちは謙虚なふりをするのが当たり前になっているので、実力がない人も謙虚なふりをしたほうがかえって実力がありそうに見えるという、ややこしい状況になっている。そこで、私からのアドバイスだ。
実力がないなら、実力があるふりをしろ。
そして実力があるふりができないなら、自信があるふりをしろ。
真の実力者は、行動で実力を示し、そして謙虚だ。彼らのようになりたいなら、まず十分な準備をするのが出発点になる。そうすれば自分の能力が上がるだけでなく、本番で失敗してもカバーできる。それに加えて、それぞれの分野でトップに立つ人たちは、自分の能力に関してとても謙虚だ。
しかし、これが重要なのだが、社会全体としては、誰もが自信と実力をきちんと見分けられるようになったほうがいい。そうなれば、口だけ達者で中身がない人や、自信過剰な人がもてはやされることもなくなるだろう。