あなたよりあなたをよく知っているのは、周りの人
他人はどれだけ正確にあなたという人間を把握しているのだろうか。彼ら観察者の解釈が正しいかどうか判断するのは大切なことだが、しかしその方法は? 正しさを測定するベンチマークのようなものはあるのだろうか?
ここで真っ先に思い浮かぶ答えは、「自分自身の解釈」だろう。しかし、たいていの人は偏向しているという事実を踏まえると、自分の解釈が正しいかどうかも実は定かではない。
他人が考えるあなたと、あなたが考えるあなたの間で違いがあるとき、どちらが正しいか判定するのは至難の業だ。また、他人が考えるあなたも、人によって異なるだろう。そこで、どの人の判断を「他人の見方」として取り入れればいいのかという疑問が出てくる。
しかしありがたいことに、この問題を解決してくれる科学的な研究が存在するのだ。
ブライアン・コンリー博士とデニズ・ワンズ博士は、他者からの評価と自己評価の関係についての研究を数百にわたって集め、結果を統合した(研究の対象者はトータルで4万人以上になる)。
その結果わかったのは、他者からの評価と、自己評価の間には重なる部分もあるが、それよりも違う部分のほうが多いということだ。
またコンリーとワンズは、私たちの自己評価は、ある種の他人の評価と一致するということも発見した。つまり、他者からの評価と自己評価の違いが大きいこともあれば、小さいこともあるということだ。これは直感的に理解できるだろう。
たとえば、家族、友人、長い付き合いの恋人や配偶者の場合は、自己評価と他者からの評価がだいたい一致するが、同僚やたまに一緒に仕事をする人、まったくの他人だったら、一致することはあまりない。
とはいえ、自己評価と他者からの評価が一致する理由はそれだけではない。どうやら、性格のどの部分を評価するかということも関係してくるようだ。
たとえば、社交性や野心については自己評価と他者からの評価が一致するが、謙虚さや自信、そして特に知性については違いが大きくなる。この現象は、観察しやすいかどうかという点で説明できるかもしれない。社交性や野心は外から見てもわかりやすいが(たとえば、社交的な人はおしゃべりでよく笑う、野心的な人はエネルギーがあって押しが強い、など)、謙虚さ、自信、知性は、内面のことなので外からはわかりにくい。
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