税務調査官「残念ですが、妹さんも対象です」…年金月30万円、元公務員の父が55歳長男に「多額の生前贈与」→52歳妹が“2度激怒”したワケ【税理士が警告】

税務調査官「残念ですが、妹さんも対象です」…年金月30万円、元公務員の父が55歳長男に「多額の生前贈与」→52歳妹が“2度激怒”したワケ【税理士が警告】
(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査が行われるきっかけのひとつに「第三者からのタレコミ」があります。このタレコミ先が親族などの身内の場合、税務調査に発展する可能性は跳ね上がると、多賀谷会計事務所の宮路幸人税理士はいいます。今回、身内のタレコミから税務調査に発展した事例から、相続税の申告における注意点をみていきましょう。

Bさん「相続財産が少なすぎる!」…いったいなぜ?

結局、父親の葬儀や相続に関する諸々の手続きについても、Aさんにすべて任せっきりにしていたBさん。

 

葬儀終了後、Aさんが以前から準備していたという財産目録を受け取ったBさんは、その内容に目を疑いました。自宅の土地建物のほか、その他の財産では預金残高が1,000万円のみとなっていたためです。

 

Bさんは両親との仲が良かったわけではありませんが、父親の昔気質で堅実な性格は知っていました。また、5年前に母親が亡くなった際、相続の話し合いで父親から「母さんの預金はお前らで分けろ。俺の預金はまだ3,000万円くらいあるから、心配いらない」と聞かされていたのです。

 

さらに、Bさんの疑念が深まったのは、Aさんが高級外車に乗っていることでした。独身で実家住まいとはいえ、こんなに良い車を買えるのか……「ねえ、兄さん。この車は父さんから買ってもらったんじゃないの?」と問い詰めても、Aさんは「失礼なこと言うな! 介護を頑張っているご褒美に自分で買ったんだよ!」と激怒。また、なぜこんなにも預金が減っているのかと尋ねても、Aさんは「介護に使った」の一点張り。

 

Bさんは結局、自分が親の介護を丸投げしていた後ろめたさもあり、しかたなくAさんに言われるがまま預金の1,000万円を半分に分ける形で、相続税の申告を終わらせました。

Aさんの態度に疑念をぬぐえないBさん…税務署に相談

相続税の申告は終わったものの、Bさんは「父は施設にも入らず自宅で暮らしていただけなのに、こんなに預金が減っているのはおかしい」という疑念が拭えませんでした。

 

このため、相続税の申告後もやはり納得のいかないBさんは、Aさんに言っても埒があかないため税務署に連絡することを決断。税務署には、相続税の申告を行ったが、兄が相続財産以外でも親から贈与を受けているのではないかと思う旨を説明しました。

 

5年前に母親が亡くなった時は預金で3,000万円ほどあったこと、年金額は個人年金等を含めると月30万円ほど受給していたので、普段の生活費はそれで賄えることなど話しました。

 

また、相続の申告の際、高級車が申告されてない事を相談したところ、税務署の職員から「もしお父さまが車を購入していた場合、車の名義がお父様であれば相続財産の申告漏れになりますし、名義がAさんの場合、贈与税の申告漏れに該当します」と説明を受けました。

 

 

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