「離婚を同僚に言いたくない…」勤務先へ報告しないことによるデメリット【弁護士が解説】

「離婚を同僚に言いたくない…」勤務先へ報告しないことによるデメリット【弁護士が解説】

離婚することになった場合、会社への報告に気を重くする人は多いでしょう。さまざまな事情から、できる限り連絡をしたくないと思う人もいるかも知れません。しかし、報告を怠って先延ばしにしていると、デメリットを被るケースもあるようで……。本記事では、Authense法律事務所の弁護士白谷英恵氏が、会社への離婚報告のタイミングや報告すべき内容について解説します。

苗字の変更

もっとも人目につきやすく、また書類など手続上も問題になるのが苗字の変更です。離婚に伴って苗字を変更する場合には、社内の書類だけでなく社会保険や雇用保険での氏名変更手続きが必要となりますので、必ず報告しましょう。

 

離婚したからといって必ずしももとの苗字に変更すること(復氏)が必要なわけではなく、結婚後の苗字を使い続けることもできます。

 

そのため、営業や接客、あるいは研究職など、苗字の変更によって仕事上の不利益が大きい職種の方では、苗字を変えないという選択をする場合も多いようです。

 

そういった場合にも、特に女性の場合には「離婚したらもとの苗字に戻る必要があるのか?」と考えることもあるかもしれないので、離婚後も同じ苗字を使い続けるとしっかり報告しておきましょう。同じ苗字を使い続けることで、職場のよく知らない人からの好奇の目に晒されることもなくなるというメリットもあります。

 

また、同様の理由から、離婚によって戸籍上の苗字は変わっても、仕事では同じ苗字を使い続ける方もいます。

 

ただし、近年は夫婦別姓の議論などもあり、旧姓使用が認められている会社は増えつつありますが、まだすべての会社が対応しているわけではありません。そのため、もし「離婚後戸籍上は結婚前の苗字に戻るものの、仕事では引き続き離婚前の苗字を使用したい」と希望する場合には、一度担当者に問い合わせてみましょう。

扶養家族の変更に関する手続き

離婚によって大きく変わることのひとつが、扶養家族に関することです。

 

子どもが新たに扶養に入る、これまで扶養に入っていた妻や子どもが自分の扶養から外れるなど、離婚によって扶養関係に変更が生じることは一般的です。扶養家族の有無や人数は社会保険の控除や厚生年金などに関係してきますので、できるだけ早く手続きを行う必要があります。

 

しかし会社に属している場合では、こういった手続きは会社を通して行うことが一般的ですので、会社としてはできるだけ早く扶養家族変更の事実を把握しておきたいと考えています。そのため、扶養家族に変更があった際には、必ず会社の担当者に連絡しましょう。

 

また、婚姻期間中は相手の社会保険に加入していたけれど離婚に伴って自分の会社の保険に加入する場合にも、手続きが必要です。

 

パートなどで配偶者の扶養の範囲内で働いていた場合でも、労働時間などの条件によっては勤め先の保険に加入できる場合もありますので、問い合わせてみましょう。

 

そのため、離婚についてはできるだけ早く上司に報告し、事情を話して保険手続きについても問い合わせるとよいでしょう。

 

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