成約率の上昇や業務生産性の向上も…M&A仲介で「買い手探し特化型の買いFAモデル」を利用する5つのメリット

成約率の上昇や業務生産性の向上も…M&A仲介で「買い手探し特化型の買いFAモデル」を利用する5つのメリット
(画像はイメージです/PIXTA)

M&A仲介業務の新たな手法である、買い手探し特化型のFAモデル。この方法による5つのメリットを解説します。※本連載は、M&A仲介業務を行うByside株式会社の代表取締役である川畑勇人氏の著書『中堅・中小企業のM&Aを成功に導くByside FA』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

M&AブティックがByside FAを利用するメリット

多くのM&A仲介会社、M&Aコンサルタント、FAなどが抱えている買いニーズ探索や買い手アプローチの壁を乗り越えて、スムーズなM&Aの成約を実現するための新しいM&A支援サービスモデルについて、本連載ではこの「買い手探し特化型FAモデル」をByside FAと呼ぶことにします。

 

中堅・中小企業M&A仲介会社やFAなどのM&Aブティックが、Byside FAを利用することで得られるメリットは次のとおりです。

 

①最適な相手とのマッチングが早期に実現し、売り手からの信頼度、満足度が高まる

まずは、売り案件に適した買い手候補とのマッチングが早期に実現するという点です。

 

自社で買い手を探そうとして時間が掛かり、案件が滞留してしまったり、あまりフィットしない買い手候補しか挙げられなかったりすれば、売り手からの信頼度が下がります。

 

場合によっては、ほかのM&Aブティックに乗り換えられてしまう可能性もあります。

 

Byside FAの活用により早期に適切な買い手候補が提示できれば、売り手からの信頼が得られ、そのような事態を防ぐことができます。すでに滞留化していた売り案件があったとしても、どんどん減っていくということです。

 

買い手候補を見つけやすい、業況が良い売り手企業の場合ならByside FAを利用する意味がないかといえば、そんなことはありません。

 

業況が良く事業成長過程にある売り手は経営者の意識や目線も高く、望む希望条件も厳しいことが普通です。だからこそ明確な譲り受け理由や、譲り受け後の成長戦略を示せる買い手候補を複数提示して、比較検討できるようにすることで満足度が高まるのです。

 

もちろん、その後の交渉によっては成約までは至らないこともあります。それでもしっかり買い手を探してくれたという売り手からの信頼を勝ち得ていれば、その後の関係継続につながります。

 

②業務生産性が向上する

常に業務に忙殺されているM&Aコンサルタントや売りFAにとって、明確なニーズが存在するかどうか分からない買い手探しを続け、マッチングまでのやり取りを続けることは、業務上の大きな負担になります。その部分を丸ごとByside FAに任せて分業することができれば、売り手への対応に集中でき、業務生産性が向上します。

 

売り手担当の業務と買い手担当の業務は、本来的に性質が異なるものであり、一人のM&Aコンサルタントが一気通貫で担当するよりも、分業したほうが効率的にM&A業務を進められ、生産性を高められることが多いのです。

 

しかし、M&A仲介会社の同じ社内で分業体制を敷くことはさまざまな理由から難しく、ほとんどすべてのM&A仲介会社で一人のM&Aコンサルタントが売り手も買い手も担当しています。例外的に社内で完全に分業体制を敷いているのは、人も案件も大量に保有している大手のM&A仲介会社くらいです。

 

③滞留案件も含めて、M&Aの成約可能性が高まる

M&A案件はすべてが最終的な成約に至るわけではなく、途中でディール・ブレイクとなることも珍しくありません。途中でブレイクしてしまうと、成功報酬のみで依頼を受けている多くのM&Aブティック、M&Aコンサルタントにとって、大きな徒労感だけが残るものです。

 

M&Aがディールの途中でブレイクする理由はさまざまですが、そもそもマッチングの段階から齟齬がある組み合わせだったということも少なくありません。Byside FAの活用により、売り案件に適した買い手候補が探索・マッチングされるので、まずその理由によるブレイクの危険が減ります。

 

また、トップ面談、その後のデュー・デリジェンスなどのエグゼキューション段階において、少し勘違いをした買い手が上から目線の態度を取ったり、突然むちゃなことを言いだしたりして、売り手が気分を害してブレイクしてしまったり、ブレイクはしないまでも、その後のフォロー対応にM&Aコンサルタントが神経をすり減らしたりするといったことも、M&Aディールで意外とよく見られる光景です。

 

これもByside FAの活用により、買い手の希望や傾向に精通した各コンサルタントが入っていれば、買いFAとして買い手に助言や交渉のサポートが可能です。M&Aの現場に精通した各コンサルタント自身が、そのような不適切な対応をすることがあり得ないのは当然として、買い手に対してもディール・ブレイクとなりかねないような言動が生じないように働き掛けているため、不測の事態によりディール・ブレイクするリスクが抑えられ、最後の成約までたどり着ける可能性が高まります。

 

このようにByside FAを活用することで、ディール・ブレイクとなる確率が減り、最終的な契約まで至る可能性も高めることができるのです。

 

④必要に応じて、マッチング後のアドバイスやサポートも受けられる

Byside FAでは、M&Aブティックに買い手候補を紹介しマッチングを実現したあとのトップ面談や基本合意、エグゼキューション段階においても、売り手サイドのM&Aブティックと密に連絡を取って、成約を目指します。その過程で、必要に応じてM&Aブティックの担当者へのアドバイスやサポートをする場合もあります。

 

例えば、異業種から参入してきたM&Aブティックの担当者や、ディール経験が少ないM&Aコンサルタントだと、売り手対応のノウハウも少なく、不安を感じていることもあると思います。

 

買い手の印象を高めてマッチングの成功に結びつけるための売り手へのトーク、あるいは、トップ面談や中間合意、デュー・デリジェンス、最終契約などマイルストーンごとにディール・ブレイクを避けながら、スムーズに先のプロセスに進行させていくための売り手のディレクションなど、M&Aの成約までたどり着くためには状況に応じた細やかな対応ノウハウが必要です。こういったノウハウがなければ、いくら売り手にマッチした買い手を見つけられても、成約に結びつけられる確率は大きく低下します。

 

売り手対応に不安を感じるM&Aブティック、M&Aコンサルタントに対して、私たちがサポートをすることも可能です。「この売り手には、買い手のこの事業を強調して伝えれば刺さりやすいのではないか」といったセールストークから「買い手の経営者はこういうタイプだから、トップ面談では売り手経営者にはこういう部分を説明してもらうと印象が良くなる」といった、交渉をスムーズに進めるためのコツもアドバイスします。場合によっては、私たちがM&Aブティックの担当者に同行して、直接売り手と面談することも可能です。

 

このようなサポートを受けられることは、特に中堅・中小企業M&A2.0時代に新規参入してきて経験の浅いM&Aブティック、M&Aコンサルタントにとっては非常に心強い味方といえます。

 

もちろん、Byside FAは買いFAの一種なので、M&Aにおいて買い手の利益を最大化するため、買い手に助言や支援をしています。しかしそれは、買い手の主張だけを一方的に売り手に伝えて、売り手と対立するというようなことではまったくありません。

 

それは適切な条件でM&Aを成約に導くことこそが、買い手のメリットになることを熟知しているからです。不測の事態でのブレイクは、買い手にも売り手にもデメリットにしかなりません。そのため、売り手側のM&AコンサルタントやFAとしっかりとコミュニケーションを取り、場合によってはアドバイスもしながら、ともに歩んで成約を目指すのがByside FAの特長なのです。

 

⑤売り手情報の漏洩や競合の心配がない

これまでも売り案件を抱え、自身での買い手探しが難航しているため、M&Aコンサルタントがほかの仲介会社から買い手を紹介してもらうケースはありました。

 

しかし、それは属人的なつながりがあったり、たまたま情報交換したり、といった極めて限られたケースにおいてのみ活用されてきたというのが現実です。

 

今後はM&A仲介会社のなかから、他社案件の買い手探しを手伝い、買いFAで対応する、といったByside FAと同じ動きをする企業も出てくると思われます。

 

一方でM&A仲介会社同士は競合であるため、例えば売り手案件の情報を知られてしまった場合、それを知った他社が秘密裏に売り手にアプローチして案件を横取りされる可能性を考慮する必要があります。

 

例えば非専任案件で、その仲介会社が売り手にマッチした買い手をつかんでいれば、なおさらほかのM&A仲介会社に買い手を紹介して片手分の報酬だけ得るよりも、裏で売り手にアプローチして両手の報酬を得たいと考えても不思議ではありません。もちろん、売り手とは専任契約を結び、他社とは秘密保持契約などの契約を結んでいたとしても、さまざまな抜け道的な方法は考えられます。だからこそこれまで以上により慎重に案件情報を提供しなければなりません。

 

また、買い手探しを依頼したM&A仲介会社をだまして案件を横取りしようという悪意がなくても、トラブルになることもあります。最近私たちに相談が寄せられた一例ですが、あるM&A仲介会社のX社が、他の仲介会社のY社から売り手候補企業Z社の買い手探しの依頼を受けたことがありました。

 

しかし、X社の担当者が買い手探しの依頼を請け負って、探索やマッチングを進めている最中に、それを知らない別の担当者がZ社にアプローチしてしまったそうです。それを売り手企業から聞かされたY社は不信感を募らせ、当然怒りましたが、最初に相談を受けたX社の担当者はそのことをまったく知らなかったそうです。

 

悪意があってもなくても、M&Aは「情報」を財産とする信用で成り立つ業界です。こういった事案が一度でも発生してしまえば、その後の連携が頓挫してしまい、次からは情報がもらえなくなる、というのも当然のことといえます。

 

さらには、通常時は両手の報酬を得られる仲介業務をしている仲介会社が、片手分の報酬しか得られない買い手探索の依頼を受けたとしても、通常の仲介業務より優先度が低くなり後回しにされてしまいます。連絡やディールの進行など、全般的に進行が遅れることは十分に考えられます。

 

Byside FAを手掛ける私たちは、買いFA専門であり仲介ではないので、直接売り手経営者から相談をされたり、属人的な紹介を受けたりする以外で売り手にアプローチすることはありません。売り案件を横取りされたり、情報が漏れたりする心配をせずに買い手探しを任せることができます。もちろん、買い手探し業務を専門に行っているのですから、優先度が低くて業務が遅れるといったこともありません。

 

 

川畑 勇人
Byside株式会社 代表取締役

 

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※本連載は、川畑勇人氏の著書『中堅・中小企業のM&Aを成功に導くByside FA』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

中堅・中小企業のM&Aを成功に導くByside FA

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川畑 勇人

幻冬舎メディアコンサルティング

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