(※写真はイメージです/PIXTA)

夫が定年退職してから夫婦で過ごす時間が増えると、夫婦仲が悪化してしまうケースも少なくありません。こうした夫婦関係の悪化は「医学的視点からみれば当然」だと精神科医の和田秀樹氏はいいます。本記事では和田氏の著書『老化恐怖症』(小学館)から一部抜粋し、更年期を迎えてからも「夫婦円満」を保つ秘訣について解説します。

「何をしても妻に怒られる」…解決法は?

思秋期を迎えた夫婦の間に溝ができてくると、妻の側にストレスが溜まって病気として発症することがあります。タレントの上沼恵美子さんが夫の定年退職を機に患ったことで有名な「夫源病(ふげんびょう)」は、感情の老化や男性ホルモンの減少により意欲などが低下した夫の言動など、夫によるストレスが原因で引き起こされる、妻の心身の様々な不調のことです。

 

若い頃は外で働く夫が偉そうに振る舞い、家で妻に怒ったりしていても、歳をとって弱気になると、立場が逆転することがあります。「奥さんに捨てられたくない」と思う夫も増えるでしょう。

 

一方、妻が特に専業主婦の場合、それまでは「ひとりでは食べていくことができないから」と我慢してきただけのケースも多い。

 

夫源病のなかには、歳を重ねて弱気になり、何かと不安がるようになった夫が妻を束縛し、愚痴ばかり聞かせるなどした結果、本音では「夫から解放されたい」と考える妻が調子を崩すケースが多いのではないかと私はみています。

 

一方、夫側は定年後は仕事を離れて家にいる時間が長くなることで、些細なことで妻から注意を受ける機会も増すでしょう。トイレの使い方や汚れた衣類の扱い、ゴミの捨て方や片付けの仕方など……。

 

妻の機嫌を取ろうと思って食器を洗ってみても、「やり方が違う」「汚れが落ちてない」などとかえって怒られたりします。そうしたことが積み重なった結果、「家には居場所がない」と訴える夫の話を聞くこともよくあります。

 

本来、夫婦ともに一番くつろげるはずの「家」にいることがつらくなってしまう――定年後にありがちな夫婦のトラブルの原因は、その距離が近くなりすぎてしまったせいだと私は考えます。相手の言動や機嫌を気にし過ぎるあまり、束縛し合うのかもしれません。

 

視界に入る相手の存在が大き過ぎれば、欠点や失敗ばかりが目につき、夫のやることなすことすべてが妻の気に障るといった事態になることも容易に想像できます。

 

夫が仕事で家を空けていた時には気にならなかったとすれば、それは適度な距離を作れていたということ。定年後に相手への不満が気になりだしたのなら、お互いに「離れる」ことを意識する必要があります。

 

妻が「友人とどこかに出かけたい」と外出してくれるなら、むしろそれはお互いにとってメリットが大きいと言えるでしょう。

 

夫婦がほどよい距離感を保つことが思秋期を迎えた夫婦には必要だと考えます。

 

 

和田 秀樹

精神科医

 

※本記事は『老化恐怖症』(小学館)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

 

 

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