「戸籍」とは?
日本における戸籍制度とは、日本国民の証である国籍と、親族的身分関係(夫婦、親子、兄弟姉妹など)を戸籍簿に登録して管理し、公証する制度のことをいいます。
戸籍に記載されているのは、個人の氏名や生年月日、父母との続柄や配偶者などで、夫婦と未婚の子どもを基本単位として作られています。また、戸籍は、結婚や離婚など、身分関係の形成の際に関わる重要なものといえます。
実生活にはあまり関係のないものと思われがちですが、以下のような場合には戸籍の取り寄せが必要となります。
・相続手続き
・遺言書の作成
・パスポートの発給申請
・生命保険の請求
・年金の受給など
なお、戸籍の取り寄せには謄本(とうほん)か抄本(しょうほん)かの区別がされます。
戸籍謄本には戸籍内にある全ての事項(出生や結婚など)や人が記載されており、現在の電子化された戸籍では全部事項証明書と呼ばれています。
一方、戸籍抄本は、戸籍内にある特定の人の事項のみが記載されており、個人事項証明書と呼ばれています。
離婚後の戸籍は2つから選べる
それでは、離婚した場合の戸籍はどのようになるのでしょうか。
離婚をすると、それまで1つの戸籍のなかに入っていたものが別々になり、筆頭者(戸籍の最初に記載され、もともとの姓を名乗っていた側)の戸籍はそのまま変わりません。筆頭者でなく苗字(氏/姓)を変えて戸籍に入った側が、その戸籍から抜けることになります。
そもそも結婚前は別々の戸籍で、結婚の際に新たに筆頭者の戸籍に入ってきたわけですから、単に結婚の前に戻すといえばそれまでです。
ただ、戸籍から抜けた側は、結婚前の戸籍に自動的に戻るわけではありません。以下の2つより自分の意思で選択することができます。
・結婚前の戸籍に戻る
・新しい戸籍を作る(自分が筆頭者となる)
なお、結婚前の戸籍に戻るには両親の戸籍がなければならないため、両親がすでに死亡している場合には新しい戸籍を作るしかありません。
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