受理されても法的には無効になるケースも…「離婚届」の入手~提出方法までを「記載例」とともに弁護士が徹底解説

受理されても法的には無効になるケースも…「離婚届」の入手~提出方法までを「記載例」とともに弁護士が徹底解説

離婚の際の条件や親権の問題などをクリアし、いざ離婚となったときに必要となるのが離婚届の提出です。離婚に至る道筋は協議離婚、調停離婚、そして裁判離婚と夫婦によって異なりますが、離婚届は必ず提出しなければなりません。本記事では、Authense法律事務所の弁護士白谷英恵氏が、離婚届の入手方法から書き方、そして提出方法について詳しく解説します。

市区町村役場まで足を運ばなくても入手できる「離婚届」

離婚届は婚姻届と同様に、市区町村役所の戸籍を扱っている係で入手することができます。婚姻届は全国どこでも同じフォーマットですので、自分が住んでいる市区町村役所で受け取ったものでなくても大丈夫です。

 

また、最近では市区町村役所のホームページで離婚届のPDFファイルが公開されているところもあり、ダウンロードができますので、それを印刷すれば市区町村役場まで足を運ぶ必要はありません。ただし、離婚届はA3サイズでないと受理されませんので、印刷用紙は必ずA3を選択しましょう。

離婚届を出すタイミング

離婚届の入手自体はいつでもできますが、実際に提出するタイミングはいつでもいいわけではありません。少なくとも下記の条件が整っていないことには、離婚届は受理されない、もしくは提出時には受理されたとしても法的には無効となります。

 

離婚の合意が得られている

裁判離婚の場合を除き、夫婦のどちらか一方が離婚に合意していなければ、離婚は成立しません。

 

たとえば、夫は離婚を強く望んでいるけれども妻は離婚に反対している場合、夫が勝手に離婚届を記入して提出してしまうようなケースがあります。こういった場合、妻が事前に「離婚届不受理申出」を提出していれば、そもそも離婚届は受理されませんし、もし受理されたとしても裁判で妻に離婚の意思がないことが証明されれば、その離婚は無効となります。

 

子どもの親権者が決まっている

離婚届には、未成年の子どもがいる場合、その子どもの親権をどちらが持つかを記入する欄があります。この項目が空白ですと当然離婚届は受理されませんので、事前に決めておく必要があります。

 

また上記のほかにも、離婚届が受理されるために必須ではありませんが、財産分与や慰謝料の請求なども、離婚届を提出する前にしっかりと決めておくことが大切です。子どもがいる場合には、養育費や面会交流などの条件も事前に話し合って決めておきましょう。

 

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