「資産」があれば子どもたちに手を差し伸べられる
先に、子どもさんが相続をした結果、もし生活が苦しくなるようなことが起こったら──というお話をしましたが、逆に、子どもさんたちには相続をさせないで、奥様が全財産を相続できた場合のことを考えてみましょう。
今後の生活はまず心配ないくらいの資産が手もとにあり、ご自身は不自由ない暮らしをされている一方で、もし子どもさんが、いろいろな事情で生活に困る事態が起こったら──。
そのときは、惜しみなく、子どもさんに手を差し伸べられるのではないでしょうか。
ピンチを助けてもらった子どもさんは、これまで以上に、お母様の愛情に感謝の気持ちを持つようになるでしょう。
いつまでも「母は強し、頼もし」
子どもさんたちも今は平穏に生活していたとしても、この先何が起こるかわかりません。けれど、お母様ご自身にある程度のゆとりがあれば、「お父さんが遺してくれた財産のお陰で、お母さんもそこそこゆとりある生活をさせてもらっているから、もし困ったことがあったら、遠慮なく言ってちょうだいね」
そんなふうに、子どもさんたちに言ってあげることもできるのです。
しかしもし、お母様ご自身も経済的にいっぱいいっぱいの生活をされていたら、「助けてあげたい」気持ちはいっぱいでも、現実にそうできないということもあるのです。
「いざというときには、助けてくれる母親がいる」──。
それは子どもさんたちにとっても、大きな心の支えになるはずです。
いつまでもどこまでも、「母は強し、頼もし」。
お母様がずっとずっと〝頼もしいお母さん〟でいることは、子どもさんたちにとっても、そしてご自身にとっても、これから生きていくうえでの、強く、大きな力になるのです。