今回は、妻が全財産を相続・管理する、意外なメリットをご紹介します。※本連載は、ファイナンシャルプランナー・高橋成壽氏の著書、『ダンナの遺産を子どもに相続させないで 50~70代のみなさまへ わが子のためにもなる相続と老後のマネー術』(廣済堂出版)の中から一部を抜粋し、50~70代の女性を対象とした相続対策のポイントなどをご紹介します。

気を張り、頭も使う「大きな財産」の管理

持ち家と宅地から、金融機関の預貯金や有価証券、それに保険に至るまで、妻が全財産を相続することには、意外な〝副次効果〟があります。それは、

 

「ボケ防止」

 

ができるということです。

 

今まで通り、一家の家計を預かり、日々月々の生活費を、やりくりする分には、何千円、何万円、せいぜい多くても数十万円程度のお金の足し算引き算ですみます。

 

しかし、この先何十年分かの生活資金や、あちらこちらの金融機関に預けているお金、有価証券、保険も含めた全財産を管理するとなると、何しろまず、「ケタ」が違ってきます。また、資産運用も自分でやるとなると、それなりに「勉強」もしなければなりません。

 

そういうお金の管理も、面倒くさいからと子どもさんに任せるのではなく、ぜひご自分でやってみてください。

 

子どもさんにしても、頼まれればいやとは言わないでしょうが、日々の生活で忙しいので、負担になるかもしれません。

 

また、子どもさんのうちの誰かひとりに頼むことで、他のきょうだいが、「お母さんの財産をお兄さんが管理しているみたいだけど、自分の都合のいいようにしないかしら」など、疑心暗鬼になることもあり得ます。

 

子どもたちの間に要らぬ争いのタネをまくより、夫が遺してくれた財産は、自ら責任をもって管理するのがいちばんです。大きな財産、それも夫から受け継いだ大事な財産を管理することで、気も張りますし、頭も使います。

視野も広がり、新しい発見も?

また、資産運用も自分で行うとなると、経済や社会の動きにも注意するようになり、関心のなかったことにも興味を持つようになり、これまでは入ってこなかった情報も入ってくるようになり、視野も広がれば、新しい発見もあるでしょう。

 

それは、「これまでお父さんに頼りっぱなしだったけど、私だってやればできるんだわ」という自信にもつながります。

 

気持ちが若返り、そうすると外見も若返り、なんといっても「ボケ」防止に役立ちます。

 

もし、どうしても不安な場合は、ファイナンシャルプランナーをご利用ください(宣伝のようで恐縮ですが……)。

 

間違っても、最初に金融機関に行かないでほしいと思います。とくに銀行は、保険金や遺産が振り込まれると、とたんに営業にきますので、注意してください。彼らの話を聞く必要はありません。

本連載は、2014年12月5日刊行の書籍『ダンナの遺産を子どもに相続させないで』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

ダンナの遺産を子どもに相続させないで 50~70代のみなさまへ わが子のためにもなる相続と老後のマネー術

ダンナの遺産を子どもに相続させないで 50~70代のみなさまへ わが子のためにもなる相続と老後のマネー術

高橋 成壽

廣済堂出版

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