公務員の給与は「民間の平均」をもとに算出されるが
安定した職業の代名詞「公務員」。日本の国家公務員の方々は収入をいくらほど得ているのでしょうか。
令和5年8月発表の人事院『国家公務員給与の実態』によると、一般行政職の平均年齢は42.4歳、平均給与は40万4,015円。そのほか、地方整備局などの管区機関に勤めている人の給与は40万4,749円、地方法務局や都道府県労働局などの府県単位機関に勤めている人の給与は38万8,199円と続きます。
人事院は一般職国家公務員の給与を決定するための指標として、民間給与の実態を調査しています。階級別給与の内訳を見てみると、事務関係職種では、部長「71万1,958円」、課長「60万0,209円」、係長「48万1,262円」、係員「33万7,376円」です。
これは、全産業の企業規模50人以上かつ、事業所規模50人以上の全国の民間事業所54,753事業所(母集団事業所)のうちから、層化無作為抽出法によって抽出した11,970事業所のデータです。給与額を高いと感じるでしょうか。低いと感じるでしょうか。
中小企業庁の『中小企業白書・小規模企業白書』によると、日本全国に企業はおよそ356万社存在しています。業種分類ごとで「中小企業者」の定義は異なっており割愛しますが、「小規模企業者」の定義は下記のとおり。
製造業その他・・・従業員20人以下
商業・サービス業・・・従業員5人以下
日本全体の企業のうち9割以上が中小企業・小規模企業者であるなか、「50人以上の企業の給与額」と絞り込むことは、適切といえるでしょうか。自身の勤め先を振り返り「そんな給与もらってないよ…」と感じる人も少なくないかもしれません。
なお総務省『地方公務員給与実態調査』(令和4年)によると、地方公務員のうち都道府県職員(平均年齢42.6歳)の月額平均給料は「32万171円」。全職種の平均諸手当月額が8万7,211円で、平均給与月額は「41万3,202円」でした。