30年前とまったく同じことが起きている
日経平均株価はバブル崩壊後、約33年ぶりに3万円台に乗せました。市場も強気になりかけていますが、日本の個人投資家はどうも売り越しに甘んじているようです。(株式を貸し借りする)信用取引は増えているけれど、現物取引に関しては売り越しているのです。
日本の個人投資家は株式に本気になりかけているとはいえ、依然として今回の騰勢を完全には信じ切っていない段階なのではないでしょうか。
「複眼経済塾」という投資ビジネススクールの代表(塾長)である渡部清二さんは、『会社四季報』を25年間1号も欠かさず読み込んできた日本株のプロフェッショナルです。彼は、「個人投資家の売り越しについては構造問題が横たわっており、あまり気にしていない」と語ります。
すなわち、個人投資家はIPO(株式新規公開)銘柄を新規上場のタイミングで買い、それをすぐに市場で売却することで利益を得ようとするため、常に売り越し状況にあるからです。
渡部氏は、「日米の株式市場の逆転が起きるのではないか」とにらんでいます。コロナ禍の2020年に作成した資料から読み取ったもので、コロナショックはブラックマンデーの〝再来〞ではないか、ととらえたそうです。
ブラックマンデーの株価暴落があったのは、1987年10月です。その後、1990年まで日米市場はともに株価を上昇させ、1990年でどちらも下落した。分かれ道はそこからで、アメリカは反発して上昇モードに戻った一方、日本株は30年もの間ほぼ上がらない、長い低迷期を迎えました。
その前年の1989年末は日経平均株価が史上最高値をつけましたが、その時点で日本の株式市場の世界全体での時価総額シェアは5割にも達していました。ちょうど今がその正反対で、2023年前半のアメリカ株の世界全体での時価総額シェアが50%と、30年前とまったく同じことが起きているといいます。
先日、日経平均株価が史上最高値を更新しましたが、前回のような割高感は小さいと思います。
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