日経平均株価は上昇トレンドに入っている
景気と同じように、株価にもサイクル(トレンドと呼びます)があります。ただし、リーマン・ショックや東日本大震災、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻、そしてハマスによるイスラエル攻撃といったイベントによって株価は大きく上下するため、景気のように一定のリズムでは動きません。それでも、趨勢としてのトレンドは波のように変化しています。
株価チャートは「ローソク足」と呼ばれる長方形で描画されていて、白い「陽線」が値上がり、黒い「陰線」が値下がりを表します(図表1)。
また、連続する株価の平均値を「移動平均」といいます。1週間の株価の動きを1つのローソク足で表した週足チャートであれば、13週移動平均線や26週移動平均線が分析によく使われます。これはその日の株価を含め、それぞれ13週分・26週分の週末終値の平均値を結んだ曲線です。
計算期間の短い短期の移動平均線が、期間の長い長期の移動平均線を下から上に抜くことを「ゴールデンクロス」といいます。直近の株価のほうが値上がりの勢いが強いので、ゴールデンクロスが示現した後の株価は上昇トレンドとなることが多く、相場の「買いサイン」になっています。逆に、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に抜けると「デッドクロス」といって、下降トレンド入りを示す「売りサイン」となります(図表2)。
日経平均株価の長期トレンドを年足チャート(1年分の株価が1本のローソク足)で見ると、5年移動平均線が10年移動平均線を上抜けるゴールデンクロスが、アベノミクス相場の途中の2014年初めに示現しています。日経平均はその後、上げ下げを繰り返しながらも大きなトレンドでは上昇を続けています。