(※写真はイメージです/PIXTA)

経営者である父親が認知症を発症したことをきっかけに、遺産のことが気になり確認したところ、衝撃の事実が発覚します。疎遠だった兄の嫁が、驚きの行動をしていたのです…。MJリサーチ綜合探偵社取締役で相続診断士である若梅秀孝氏が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

弁護士からのアドバイス…探偵の素行調査による戦略とは

森田さんは「父親が認知症を発症していたことを証明できれば、遺言書を無効にできるのでは?」と考えて、弁護士にアドバイスを求めましたが、公正証書遺言を無効にすることは可能なのでしょうか。

 

遺言書の有効性は、遺言書を作成した時点の判断能力(法律用語で「遺言能力」という)の程度により判断されます。認知症を発症していても、軽度の場合は、遺言能力があると判断されることもあります。

 

裁判などの法的紛争に発展した場合、遺言書を作成した時点の遺言能力を証明する客観的な証拠が必要です。例えば、医師が作成した診断書などです。しかし、森田さんが、父に遺言書を作成した時点の診断書が残っていないか確認したところ、その頃は病院に行っていなかったので診断書はないとのことでした。

 

森田さんは父親の症状について、こう話します。

 

「父とは普通に意思の疎通ができるので、診断書があったとしても、遺言能力がなかったと認められるのは難しかったかもしれません」

 

そこで、弁護士が提案したのが、探偵社に依頼して、長男の嫁の素行調査を行うことです。長男の嫁は、公正証書遺言や生前贈与など、後妻業の女が使う手口と酷似した方法で、遺産を手に入れようとしています。このようなタイプの人の素行調査を依頼することで、さまざまな問題行動が発覚することを、弁護士は過去の経験則から知っています。例えば、旦那に内緒で高級品を購入している、ホストクラブで豪遊しているなどです。

 

まずは、長男の嫁の問題行動を長男に知ってもらうこと、そして長男とともに父親に遺言書の書き直しをしてもらうことが、森田さんの父親の真の意思を汲んだ遺産相続を実現するために有効な戦略となると弁護士は判断したのです。

素行調査で明らかになった“嫁の問題行動”

森田さんから依頼を受けて、長男の嫁の素行調査を実施したところ、弁護士の予想どおり、問題行動が明らかになりました。

 

こちらが、長男の嫁の素行調査の結果です。

 

10時56分:家を出る

 

11時11分:最寄り駅から電車に乗る

 

11時32分:電車を降りる

 

11時39分:駐車場に入る

 

11時45分:ベンツに乗り、車を発進

 

12時25分:デパートのレストランに入る

 

12時55分:レストランから出てくる

 

13時01分:デパート内のネイルサロンに入る

 

14時27分:ネイルサロンから出てくる

 

14時35分:デパート内の高級ブランド店に入る

 

14時56分:紙袋を持って店から出てくる

 

15時02分:他の高級ブランド店に入る

 

15時21分:紙袋を持って店から出てくる

 

15時25分:デパート内の食料品売り場で総菜を購入

 

15時35分:ベンツに乗り、車を発進

 

16時28分:駐車場に付き、車を降りて駅に向かう

 

16時34分:最寄り駅から電車に乗る

 

17時06分:帰宅

 

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※登場人物は仮名です。プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

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