半値以上に下げたときの「反発力」は強い
今回は、具体的な事例として「ファステップス」と「新日本科学」を取り上げます。以下、順番に見ていきましょう。
☆ファステップス(東証2部・2338)
ファステップスは、スマートフォン向けアプリの開発などを手がける会社です。この銘柄の場合、200円前後の株価で長く横ばいを続け、その後突然暴騰し、短期間で540円まで上昇しました。
そこから株価の調整が入り、ズルズル下がって半値押しになっています。この場合も、半値押しよりさらに下がっていますが、310円前後から再び暴騰。反発から2週間足らずで720円、さらに10日ほどで916円まで上昇し、暴騰銘柄の急落後の反発狙いから3倍にまで上昇しました。
このチャートの読み方も、前回ご紹介したアジアグロースキャピタルと同様です。やはり、半値以上に押して、もう一段下がりました。しかし、その後はやはり暴騰しています。半値以上に下げたときの反発力は大変強いので、8〜10%で利益確定するのはもったいないといえます。よって、前日の安値を下回るまで、あるいは終値で5日移動平均線を割り込むまで、上昇に付き合うのがベターと考えられます。
その場の「相場のムード」に慌てない
☆新日本科学(東証1部・2395)
前臨床試験受託事業などを手がける、バイオ関連の大手です。2012〜2013年あたりは、特にバイオ関連株全般に勢いがありましたが、新日本科学も過去に短期間でドカンと暴騰しています。
チャートにあるように、この際は急落しても半値押しとはなりませんでした。バイオ関連株など、同業種全体が買われているようなときや、強い好材料(業績見通しの上方修正、新薬の開発に成功……など)が出たときは、半値押しせず、急落から2〜3営業日で、また買われ出すことがあります。その場合、たとえ半値押しではなくても、早めに飛び乗ったほうがよいでしょう。
実際、私はこの銘柄を10月23日に250円で買い推奨しましたが、そこからトントントンと急騰し、わずか3営業日後には2倍近くの482円まで上がりました。その場の相場のムードに慌ててしまうのではなく、あくまで株価の上下動とチャートを信じれば、このようにうまく上昇をつかめます。