100株買うだけで、たくさんのメリットが得られる
100株購入するメリットは他にもあります。
人間の脳は、興味関心があるものについてはさらに情報を得ようとして、そうではないものについては目に入っても耳に入っていても情報として処理されません。
あまりに普段の生活で五感から入ってくる情報が多いために、必要ではない情報はインプットしないようにできているのです。子どもがいない人は子どもが周りにいても存在に気がつきませんし、肩こりに悩んでいない人には整骨院の看板は目に入りません。
株式投資でも同様に、保有していないと興味関心がわかないものです。
軽い気持ちで100株は手付の気持ちで買ってみるのです。100株でも購入することで自然とその銘柄について調べる気持ちがわいてきます。街角でふと目に入ったその会社の新商品、広告も目に入ります。
少し購入するだけで、その銘柄の調査をするにも本腰が入るというものです。推しのアイドルができると、少しでも多くの情報を得るためにテレビの出演情報、ライブ日程、SNSでの配信をつぶさにチェックするようになるのと同じように、株式投資でもその会社の製品やサービスを身近に感じますし、TVCMで流れているのを見ても興味がわきます。
株価の値動きに注目するようになりますし、配当金の額についても調べるでしょう。株は買ってみなければ始まらないのです。
特に今年2024年から株式市場には株価が上がりやすい追い風状態がそろっているので投資のチャンスといえます。
折からのインフレが継続して、モノ・サービスの価格が上昇しやすい状況になっていることに加えて、日本取引所グループが打ち出した東証プライムを頂点とした低PBR状態解消要請、アクティビストの投資、新NISAのスタート、円安による大企業の利益かさ上げ効果などがあるため、少しでも投資してその流れに乗っていくことも大切でしょう。
アクティビストとは“物言う株主”とも言われるファンド(大口機関投資家)のことで、有名なアクティビストには旧「村上ファンド」などがありますが、企業の株式を大量に保有し、株主として経営陣に株主還元を求めたりします。
近年では企業に対し、自社株買いの実施や配当金の増額など株主価値の向上を求める動きが活発化しています。
東京証券取引所が上場企業に要請している「株価純資産倍率(PBR)の改善」もアクティブファンドにとって追い風となり、今後ますます“物言う株主”のアクティブファンドの存在感が増していくことでしょう。
これは個人投資家にとってもチャンスであり、特に低いPBR銘柄への投資は注目されます。
新NISAという個人投資家にとって最大のメリットとなる制度が開始されたうえに、株式市場にとって様々な追い風が吹いているのですから、株価が上昇した後に「何であのとき買わなかったんだろう……」と後悔する前に、狙いをつけた銘柄はまずは100株買ってみる。その投資スタイルを確立しましょう。
長田 淳司
サラリーマン投資家
※本記事は『新NISAはほったらかしが9割』(双葉社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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