(※写真はイメージです/PIXTA)

新NISAの「成長投資枠」の非課税枠は1,200万円とかなり大きく、選べる投資先も幅広いため、どのように活用すべきか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では『新NISAはほったらかしが9割』(双葉社)から、著者の長田氏が銘柄を選ぶときに見るべきポイントを詳しく解説します。

新NISA向きの銘柄はこう発掘する!

新NISA枠内で投資をする投資家は、個別株投資については1,200万円の成長投資枠で投資することになります。一人あたり最大1,200万円、夫婦で最大2,400万円。

 

住宅ローンを組んで自宅を購入、子どもの教育費の積立など、その他にも資産を割り振る必要があるでしょうから、この1,200万円(夫婦で2,400万円)という個別株式の投資枠があれば十分という方も多いでしょう。

 

新NISAで行う中長期投資向きの銘柄としては、業績が上向きで、かつ直近数年間の売上・利益が着実に増加している会社を狙うといいでしょう。円安局面が続いているため、円安で恩恵を受ける、海外で稼いでいる企業を中心に探していくと、業績の伸びに合わせて株価の上昇も期待できます。

 

PBRについても確認していきます。低PBRの銘柄で、かつ企業がその解消のために努力をしている姿勢を見せている会社が買いになります。具体的には、売上増加・増配・自社株買い等の方針を公表している会社に注目します。

 

投資先を調べるうえでは、企業トップの発言にも注目してみましょう。株価を意識している経営者はインタビューでも自然と「売上を上げる」「業績を上げる」「自社株買いをする」「配当を増やす」「M&Aまたは新規事業の立ち上げで事業領域を拡大する」……など、株価を上げるための取り組みについてわかりやすい言葉で話しています。

 

そうした経営者の発信するコメントから自分が納得できるような説明があれば、買いの候補になるでしょう。

 

また、株価を自社のコーポレートサイト(自社ホームページ)のトップページに掲載しているかどうかも確認してみてください。自分の会社の株価を意識していて経営しているかどうかの判断材料の一つになります。

バリュー株銘柄(割安株)が強い傾向はしばらく続く

現在、株式市場は長年相場の蚊帳の外に置かれていたバリュー株銘柄(割安株)が強く、逆に以前は相場の中心的存在だった割高なグロース株(成長株)が弱い状況が続いています。

 

これは世界的なインフレ傾向から資金がこれまでの割高な高PBR銘柄から割安な低PBR銘柄に流れている現象(金利が上がったためリスクの低い利回りの良い銘柄に資金が移動)で、今後しばらく続くと予想されます。

 

大口資金を扱う機関投資家は、株価が大きく上がるよりも安定した収益を上げているバリュー銘柄の保有のほうが、投資ポートフォリオ全体の安定感につながることもあり、バリュー株投資が中心になっています。

 

長期にわたってデフレが続いていた日本もインフレ社会に転換したこともあり、機関投資家も積極的に株式投資に資金を投入する時期となっています。

 

機関投資家が積極的に株式投資に資金を向ける理由の一つには、東証が上場企業に要請した“低PBRからの脱出”政策も挙げられます。

 

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