株が下がったときは「追加」「様子見」「撤退」から選択
株式投資は「買った株が下がることが当然ある」と考えることから始まります。
故アントニオ猪木はかつて試合前のインタビューで「出る(闘う)前から負けること考えるバカがいるかよ」という名言を残していますが、こと株式投資に限っていえば、まったく逆です。戦う前から負けることを考えないのはバカヤローなのです。
では株価が下がるときの対処法とは何かといえば、追加購入、様子見、撤退の3つです。
投資家はどの選択肢を取ってもいいのですが、事前にプランを立てておく必要があります。事前に下がったときの対処法を考えておき、その通り行動することで感情的に売買することを防ぐことができます。
感情的になると、どうしても冷静な判断ができません。
冷静な精神状態であれば、株が下がったときにも慌てずに最適な対処ができますが、感情的になってメンタルがブレた状況では、追加購入すべき場面で逆に売ってしまったり、売らなければいけない場面で逆に追加購入して墓穴を掘ったりと、正しい投資行動を取れません。
そうした感情に揺さぶられる取引をしないためには、「買った株が下がる」ことを念頭に置いて、最初から下がったときの対処プランを立てておくことです。
プロの機関投資家ですらも、感情的な取引をしてしまうことがあります。新型コロナ禍が本格化し、自粛が求められる状況の下で機関投資家は国債を大量に買い込み、株式を売る動きが強まりました。
後から考えると当時の利回りが低い水準(価格が高い)で国債を購入するのは、リスク・リターンの面から「割が良くない」というのは冷静になればわかることです。
しかし当時の混乱状況とコロナへの先行き不安が広がっていた中では、プロである機関投資家も冷静さを欠き「とにかく安全策を取ろう」としてしまい、その結果、株式を売り、リスクのある利回りが低い(価格が高い)国債を大量に買ってしまったわけです。
皆さんもご存じの通り、その後株価は戻し(コロナ前より高値となり)、逆に国債は世界的なインフレが続いていることで下落し続けています。特に体力のない地銀をはじめ、金融機関は高値で掴んでしまった国債の評価損に苦しんでいるのです。
プロ中のプロである機関投資家でさえそうなのです。
我々個人投資家は一人で投資していますし、日々のニュース、私的な出来事などで冷静に投資ができなくなることはままあります。株が下がっているときは、どうしても気持ちも沈んでしまい感情的な行動をとってしまいがちです。
ですが、株式投資をしている限りは下落相場への向き合い方を学ばなければいけません。株が上がっているときは誰でも勝てますが、下がっている局面で「損切り・買い増し・様子見のいずれの選択を取るか?」を考えていくことが大切です。
特に新NISAでは非課税投資枠を意識しながら投資することになるので、買い付ける銘柄の選定から追加投資、売却にわたり、戦略に応じたスタンスを確立しておくことが将来的な資産増加につながります。
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