今回は、長くなりやすい「マンションの理事会」を効率的に実施する方法見ていきます。※本連載は、一級建築士・須藤桂一氏の書籍『まちがいだらけのマンション管理タブー集』(誠文堂新光社)の中から一部を抜粋し、マンション管理組合の理事や役員の方が間違えやすい点、その結果として生じる問題などについて、1つずつ具体的に取り上げ、わかりやすく解説します。

「理事会は1日がかりが普通じゃないの?」

管理組合では歴代、理事会を開催する日程調整などは管理会社に任せていました。そのせいか、不定期に行われるのが常になっていたのです。しかも、理事会は朝から晩まで一日がかりなのが、当たり前になっていました。

 

――ある日曜日の朝9時。

 

ナンデ:こうして理事の皆さんと会うのは、2カ月ぶりですな。

 

オトナシ:はぁー。今日も議題はてんこ盛りなんでしょうか・・・。

 

理事長:そうなんですよ。議題がたくさんあるから、1つひとつは短時間でとっとと片づけましょう

 

――それでも、またしても終わったのは夜9時・・・

分科会形式の採用、事前準備などで時間を短縮

月例で理事会が定例化していないマンションは、全国で4割程度あるというデータがあります。その原因は、管理会社にもあると思います。日程調整や開催の提案は、管理会社にゆだねられているケースがほとんどだからです。

 

理事会は、月に1度は開催するのが理想です。小規模なマンションで議題があまりなくとも、2カ月に1回程度の開催が望ましいと思います。何も議題がなくても、管理会社からの月次報告の他、区分所有者による様々な要望や問題もありますし、何より理事同士のコミュニケーションを大切にするために定期的に顔を合わせたいところです。

 

先日、ある理事会に午後2時にうかがった際、理事の方から「朝9時から始めて、ようやく半分程度の議題が終わりました」と、うんざりした顔で言われました。これでは、出席率が下がるのも無理はありません。

 

大勢いる理事がすべての議論にイチから参加をするのは効率的でないだけでなく、いろいろな弊害が出てきます。こうしたケースでは分科会形式にして、役割分担するのがおススメです。

 

また事前準備をしっかり行い、時間配分をしながら議事を進める工夫も大切です。例えば、議題や当日配布される参考資料などは、1週間程度前に理事全員に配布します。メールで十分ですが、メールが使えない理事の方には管理室にファックスし、管理員経由でポストインしてもらえばいいと思います。

 

最も理想的なのは、10日前に管理会社から議事や資料を受信し、加筆修正と同時に、関係者との事前調整・根回しを行います。修正後の議事+資料は5日前に全理事・役員に配布。そして各自が通読をして理事会に出席すれば、短時間で効率的な議事が進行されるでしょう。そんな管理組合になると最高ですね。

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