「突然すぎる。ちょっと横暴じゃないですか!」
駐輪場問題について、理事会ではたっぷり時間をかけて議論を重ねてきました。そしてようやく「3台目以降は有料化」という案にまとまったところで、総会に議案を上程したのですが・・・。
理事長:今回は議案をまとめるのに、理事会のみんなで頑張りましたよね。
オトナシ:僕もこの議案を通じて、参加意欲がわきました!
ナンデ:総会に上程して、1件落着ですなー(笑)
――ところが総会で・・・。
住民A:いきなり有料化なんて納得できません。反対ですっ!
住民B:突然すぎる。ちょっと横暴じゃないですか!
理事長:そっ、そんな。理事会のみんなで何時間も費やして熟慮を重ねたんです!
説明会を数回行うなど「プロセス」を大切に
重要案件を総会にいきなり上程すると、紛糾するケースがよくあります。
「これほど時間をかけて、理事会や専門委員会で議論をしてきたのに」「区分所有者にとって、悪い話は1つもなく全員が必ず賛成するはずなのに」「組合員の利益だけを考えて、自分たちの時間を犠牲にして議論してきたのに」というこちらの思いは全然関係ありません。
なぜ、反対されてしまうのでしょうか。理由は、とても心理的なことです。重要な話を唐突に言われたために、すんなり聞けなくなっているのです。総会に議案がいきなり上程されたことに納得いかず、「議案そのものは賛成だけど、進め方が気に入らない」という気持ちから反対に1票を投じたと考えられます。
こうした「総論賛成、各論反対」で「結果、反対」という区分所有者は少なくありません。特に修繕積立金の値上げや駐車場利用料の値上げなど、住民の負担が増える議案ではプロセスに異を唱えるケースがよくあるので要注意です。
議論を重ねてきた理事会や専門委員会にとっては何とも腹立たしい話ですが、区分所有者側にすれば「突然、総会議案書が届き、2週間後の総会でいきなり決議では、性急すぎて考える時間もない」という気持ちではないでしょうか。なかには「こんなに急ぐなんて、裏があるのでは?」と疑心暗鬼になる人もいるかもしれません。
しかし最悪の事態を避けるのはそう難しいわけではなく、説明会を1、2回行い、ワンクッションあるいはツークッション踏むだけでいいのです。
複雑な事案であればあるほど、ていねいで理解しやすい説明が求められますから、「分かりやすいプレゼンテーション」がポイントになります。