雇用者数約35万人増加…米国景気は依然として「堅調」
2月に公表された米国の経済指標は、米国景気が依然として堅調である、もしくは現在、回復途上である状況を示唆しました。
まず、[図表1]に示すとおり、1月分の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月から35万3,000人の堅調な増加となり、「米国景気が依然として力強く成長している」ことが確認されました。
さらに、[図表2]に示すとおり、平均時給は、前月比で+0.55%と高い伸びを示し、「米国のインフレ圧力が残っている」ことが示唆されました。
また、[図表3]に示すとおり、1月分のISM製造業景気指数では、総合指数が前月から2.0ポイント上昇の49.1、これに先行する傾向がある新規受注指数は同5.5ポイント上昇して52.5となりました。
米国景気は「停滞」ではなく「回復」に向かう
OECD景気先行指数でも確認されているとおり、「『これから停滞が来る』のではなく、『いままでが停滞』であり、『これから回復』に向かう」可能性も考えられます。
「ソフト・ランディング」をメインシナリオとして考える方も、「上振れ」や「下振れ」のリスクに備えて分散投資が求められる環境でしょう。
再び、「大型成長株式」の割高感に注目が集まる
経済指標が良くても悪くても株価が上昇する状況が続くなか、金融市場ではふたたび、『マグニフィセント7』を中心とする米国・大型成長株式の割高感に注目が集まっています。
[図表4]に示すとおり、直近1月末時点のデータによれば、米国・大型成長株式の12ヵ月先予想PER(株価収益率)は28.8倍を超え、過去対比・他の市場対比でふたたび、割高感が高まっています。
また、[図表5]に示すとおり、米国・大型成長株式のバリュエーションを金利対比で考えると、米国・大型成長株式の益回り(=PERの逆数≒期待リターン)は約3.5%と、米3ヵ月物国債利回りの約5.4%を大きく下回っています。